2001 Fiscal Year Annual Research Report
光触媒活性な酸化チタン膜を用いるナノチャンネル透過型反応システムの開発
Project/Area Number |
12450320
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
都留 稔了 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20201642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 朋久 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50284162)
淺枝 正司 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40026224)
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Keywords | 酸化チタン / 多孔性膜 / トリクロロエチレン / 限外濾過膜 / ナノ濾過膜 / 光触媒反応 / メチレンブルー |
Research Abstract |
本研究の目的は,光触媒特性・化学的耐性を有するチタニア多孔性膜を開発し,その微細孔を有機物質が透過する間に光触媒反応させる新規な反応システムを開発することである。 具体的には,平均細孔径1.5および5nmの貫通孔を有するチタニア膜をゾルゲル法で作製し,有機物質(トリクロロエチレン,メチレンブルー)の光触媒反応に用いた。濃度1ppmのトリクロロエチレン水溶液を供給した場合,0.05ppm以下の膜透過液を得ることができ,分解率は95%以上にも達することを明らかとした。膜触媒特性に与える因子の検討を行った結果,圧力の増加にともない,膜透過液濃度は増加,すなわち,分解率は低下した。これは,細孔内滞留時間の低下によると考えられる。また,撹拌数および供給液濃度の増大に伴い,分解率は低下する傾向を示した。 全循環バッチ式反応システムにおいては供給溶液の濃度変化より,触媒膜としての光触媒反応量を求めることが可能となる。また,膜透過側バルブを閉めることで膜透過流量がゼロとなり,細孔内透過による光分解反応量をゼロと見なせる。従って,透過側バルブの開閉によって,多孔性膜の細孔透過による反応速度の促進について検討することが可能となる。メチレンブルー1ppm溶液においては,膜細孔透過により光触媒反応速度が2倍程度大きくなることが明らかとなった。 さらに,多孔性膜を膜表面での反応部分と透過しながら分解する細孔部分に分割することで,ナノ細孔透過型光触媒反応のモデル化を行なった。提案したモデルは,トリクロロエチレンの分解率の濃度依存性,圧力依存性,撹拌数依存性を比較的良く表現できることを明らかとした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tsuru, Toshinori et al.: "Photocatalytic reactions in a filtration system through porous titanium dioxide membranes"Journal of Chemical Engineering of Japan. 34. 844-847 (2001)
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[Publications] 長谷川 泰久: "無機触媒膜の開発"化学装置. 44. 88-94 (2002)