2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12450325
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
上野 晃史 静岡大学, 工学部, 教授 (30135420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 直人 静岡大学, 工学部, 助教授 (50192464)
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Keywords | メタン / 部分酸化 / ホルムアルデヒド / 直接合成 / 触媒 / モリブド珪酸 / シリカ担体 / 水蒸気過剰雰囲気 |
Research Abstract |
触媒の寿命評価および活性劣化機構の解明:当初、本触媒の活性劣化は反応中に析出・堆積する炭素(コーキング)によるものと推測していた。しかし、本研究の結果、触媒活性劣化の原因は触媒の反応中におけるモリブデン種の飛散・損失にあることが判明した。反応は水蒸気過剰雰囲気下、600℃という高温で行われるため触媒中のモリブデン種(酸化モリブデン)の一部が昇華する。したがって、触媒の活性劣化を改善し、触媒の長寿命化を促進するためには、反応中におけるモリブデン種の昇華・損失を抑制する技術を開発しなければならない。本研究ではシリカ外表面に担持されたモリブデン種の飛散・損失が特に著しいことから、シリカ細孔内部にモリブデン種が担持されるよう、シリカ担体の細孔構造を設計することの重要性を確認した。 触媒上におけるメタン活性化機構の解明:本研究ではシリカ担持モリブド珪酸(SMA;H_4SiMo_<12>O_<40>)を触媒として使用している。SMAの特徴の一つは1分子内に4個のプロトン(H^+)を有していることである。今回はKOH処理をしたシリカ担体にSMAを担持することにより、SMA中のH^+をK^+で置換した触媒を調製しメタン部分酸化反応に用いた。しかし、K^+置換SMAを担持したシリカ触媒では反応が進行せず、メタン転化率が著しく低減した。このことから、メタン部分酸化の第一段階であるメタンの活性化にはSMA中のプロトンが重要な役割を担っているものと結論された。プロトンによるメタンの活性化とは、触媒表面にCH_5^+吸着種を生成することであると推測している。
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[Publications] 木戸亜矢子, 岩本紘幸, 東直人, 上野晃史: "メタンの部分酸化に及ぼす触媒昇温速度の影響"触媒. 43巻6号. 485-487 (2001)
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[Publications] A.Kido, H.Iwamoto, N.Azuma, A.Ueno: "Effects of Catalyst-heating rates upon the activity of silica-supported silicomolybdic acid catalysts"Catalysis Survey from Japan. (印刷中). (2002)
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[Publications] T.Sugino, A.Kido, N.Azuma, A.Ueno: "Partial oxidation of Methane on silica-supported silicomolybdic acid catalysts"J.Catalysis. 190. 118-127 (2000)
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[Publications] A.Ueno: "Partial oxidation of Methane over silicomolybdic acid catalysts"Catalysis. 15. 185-213 (2000)
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[Publications] 上野 晃史: "メタンの部分酸化用触媒の研究"表面科学. 21巻10号. 666-672 (2000)
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[Publications] 上野 晃史 他: "NTS出版"天然ガスの高度利用技術. 770 (2001)