2000 Fiscal Year Annual Research Report
シンタリングを防止する触媒の創製-触媒金属微粒子を包接した担持触媒の調製
Project/Area Number |
12450328
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岸田 昌浩 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (60243903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多湖 輝興 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20304743)
若林 勝彦 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20220832)
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Keywords | 包接微粒子 / 耐シンタリング / 担持貴金属触媒 / マイクロエマルション |
Research Abstract |
本研究では,Pt,Rh等の貴金属微粒子を耐熱性の高い物質であるアルミナで包接したナノスケールの超微粒子を通常のアルミナ担体に担持するという新規な調製法によって,シンタリングしないで高活性を長期間維持できる触媒を創製することを目的とする。 本年度に得られた成果は,以下の通りである。 (1)Ptを芯物質とし,アルミナで包接したナノスケール微粒子の合成 アルミナの凝集力が予想以上に著しく,種々の検討を行ったが,アルミナ包接Pt微粒子を合成することはできなかった。そこで,PtあるいはRhをシリカで包接した後,アルミナ担体に固定化した触媒について検討することとした。シリカでは均一な包接微粒子を合成することができた。 (2)シリカ包接Pt,Rh微粒子の高温耐久性 包接物質をアルミナよりも耐熱性の低いシリカに変更したため,包接微粒子の高温耐久性を調べた。Ptをアルミナに従来法で担持した触媒では,900℃という高温で熱処理を施すと,Pt粒子が初期の約10倍にも成長したが,シリカ包接Pt,Rh微粒子では金属粒子径がほとんど変化しなかった。さらに,その温度でもシリカ包接層の構造に変化は認められず,シリカ包接微粒子でも実用触媒として充分な高温耐久性があることがわかった。 (3)シリカ包接PtおよびRh微粒子の固定化とNO-CO反応特性 モデル反応としてNO-CO反応を取り上げ,シリカ包接PtおよびRh微粒子触媒の反応特性を調べた。触媒は,包接微粒子とアルミナとを物理混合したものを用いた。本触媒は,初期活性は従来法触媒と同程度であったが,900℃で熱処理した後は,従来法触媒よりも著しく高い活性を示すことがわかった。
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