2001 Fiscal Year Annual Research Report
光機能性ホスト化合物を利用した新規分離材料の創製とその光制御
Project/Area Number |
12450340
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
保母 敏行 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00087321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下坂 琢哉 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40295473)
中釜 達朗 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50244421)
内山 一美 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40151899)
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Keywords | アゾベンゼン / シクロデキストリン / 機能性分離材料 / 光応答 / 光学異性体分離 |
Research Abstract |
本研究では光応答性ホスト化合物を分子認識部位とし、光照射により分子認識機能を制御できる新規分離材料の創製および分離システムへの応用を目的としている。本年度はシクロデキストリン(CD)の光学異性体に対する認識能(キラル認識能)に着目した。すなわち、アゾベンゼン部位を修飾したγ-CDをシリカゲルに固定化とした分離材料(充填剤、AzCDシリカ)を調製し、マイクロ液体クロマトグラフ装置を用いて保持能、キラル認識能およびその紫外・可視光に対する応答性を検討した。アゾベンゼンの修飾部位は前年度の検討結果より、より光応答性を発現すると考えられるCDの第一級水酸基とした。比較としてγ-CDをAzCDシリカとほぼ同密度に固定化したシリカゲル(CDシリカ)を調製した。 移動相にメタノール・リン酸緩衝水溶液混液を用いた場合、AzCDシリカはダンシルフェニルアラニン(DnsPhe)、N-(3、5-ジニトロベンゾイル)-1-(1-ナフチル)エチルアミン(DNBNEA)およびベンゾイン(Bz)などの光学異性体に対してキラル認識能を認めた。同じ移動相条件下において、CDシリカも同様の光学異性体に対してキラル認識能を認めたが、AzCDシリカに比較して保持能および認識能は小さかった。 AzCDシリカに紫外光を照射すると、試料の分子形状の違いによって異なる光応答性が認められた。すなわち、DnsPheの保持能およびキラル認識能は増加するのに対し、DNBNEAのそれらは共に減少するが、Bzについてはほとんど変化しないという興味深い結果を得た。これらの変化は可視光照射により復元した。以上の結果は、試料の分子形状を誘導体化によって変えることにより、保持能およびキラル認識能を光照射により意図的に変えられることを示唆するものである。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.NAKAGAMA, K.HIRASAWA, K.UCHIYAMA, T.HOBO et al.: "Photo-response Assisted Enantiomer Separations on an Azobenzene-modified ganna-Cyclodextrin Stationary Phase in Micro-HPLC"Analytical Science. 18. 49-53 (2002)