2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12450352
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
町田 憲一 大阪大学, 先端科学技術共同研究センター, 教授 (00157223)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 吟也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029080)
|
Keywords | 金属間化合物 / 原子状窒素 / 可逆的窒素吸蔵放出 / アンモニア合成 |
Research Abstract |
本研究では、窒素透過膜の開発指針とするため、希土類-鉄系の金属間化合物の窒素吸蔵放出特性を主に金属間化合物中の窒素拡散速度から評価した。 RFe_7型(R=希土類)の金属間化合物は、以前報告したR_2Fe_<17>型の金属間化合物のFeサイトが一部欠損した結晶構造を有し、この鉄サイトの欠損によりRFe_7ではより速い窒素のバルク内拡散が期待される。そこで、RFe_7型の化合物としてCeFe_7を、R_2Fe_<17>型の化合物としてCe_2Fe_<17>をそれぞれ選択し、これらの窒素吸蔵放出特性を調べた。各化合物をNH_3気流中、加熱処理することにより窒素を吸蔵させ、引き続きH_2気流中、加熱処理することで窒素を放出させ、それぞれの窒素の吸蔵放出速度を調べた結果、バルク中の窒素拡散の活性化エネルギーはCeFe_7、Ce_2Fe_<17>でそれぞれ70、101kJ/molとなり、CeFe_7が結晶構造的に窒素の拡散に適していることが確認された。また、これに伴いCeFe_7がCe_2Fe_<17>よりも温和な条件下で窒素を可逆的に吸蔵放出し、また、窒素の吸蔵放出による媒体の単位体積あたりの窒素利用量もCeFe_7が優れていることがわかった。次に、窒素吸蔵反応時の窒素源をNH_3からN_2に変えて窒素の吸蔵放出特性を評価したところ、CeFe_7ではN_2を窒素源とした場合についても可逆的な窒素の吸蔵放出がみられたのに対して、Ce_2Fe_<17>では可逆的な吸蔵放出は観察されなかった。 以上のことから、RFe_7型の金属間化合物が窒素拡散速度および窒素貯蔵能、さらにはN_2を窒素源として利用可能であること等の点で、窒素透過膜材料として有望であることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 伊東正浩: "希土類 鉄系複合体のアンモニア分解活性と窒素吸蔵"希土類. 36. 164-165 (2000)
-
[Publications] Masahiro Itoh: "Nitrogen Absorption and Desorption Characteristics for CeFe_7"Chemistry Letters. (in press). (2001)