2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12450358
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮浦 憲夫 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10002049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 靖典 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30271646)
石山 竜生 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00232348)
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Keywords | 触媒的ヒドロホウ素化 / ジボロン反応剤 / ロジウム触媒 / 不斉マイケル付加反応 / 不斉1,2-付加反応 / イリジウム触媒 / 触媒的異性化反応 / アリルホウ素化合物 |
Research Abstract |
初年度に引き続き遷移金属触媒によるホウ素-炭素結合の活性化に着目し、ホウ素反応剤の開発及び反応の両面から触媒的有機合成反応の開発を行った。 1).触媒的ヒドロホウ素化反応による有機ホウ素化合物の合成(山本、宮浦) ロジウム触媒を用いるシス選択的ヒドロホウ素化反応について調査した。Et_3Nは必須で配位子にはP^iPr_3もしくはPCy_3が適していることがわかった。末端アルキンについては、ほとんどの官能基に対して問題なく進行するがアルデヒドに対しては還元が優先して進行する。エンインに対してはEt_3Nを増やし配位子にPCy_3を用いると収率、選択性が向上することがわかった。 2).ジボロンを利用するボロン酸エステルの合成(石山、宮浦) ジボロンを用いた触媒的付加、カップリング反応がボロン酸誘導体の簡便かつ有効な合成法となることを報告してきた。本年度はジボロンとビニル型求電子試薬としてハロゲン化ビニルおよびビニル型トリフラートのホウ素化によりビニル型ホウ素化合物の合成に成功した。さらに銅錯体/ジボロン系によるα,β-不飽和カルボニル化合物のホウ素化について調査を行い、当量あるいは触媒量の塩化銅(I)及び酢酸カリウムをDMF中もちいることで円滑に進行することを見いだした。また、イリジウム触媒によるC-H結合直接ホウ素化に成功した。 3).ロジウム触媒付加反応を利用した不斉炭素-炭素結合形成(山本、宮浦) 有機ボロン酸のマイケル型付加反応がα,β-不飽和ケトン、エステルに対しロジウム錯体により触媒されることを見いだした。アルデヒド、イミンに対しては1,2-付加が進行し不斉付加が達成できた。本年度は、さらに、α,β-不飽和アミド、アルデヒドに適用可能であることを見いだした。さらに反応は[Rh(OH)cod]_2を使用すると室温で進行することがわかった。 4).ヘテロホウ素結合の共役不斉付加反応(石山、宮浦) 初年度に引き続きB-N、B-O、B-Sのロジウム触媒存在下、α,β-不飽和ケトン、エステル、アミドに対する不斉共役付加反応を開発中。 5).イリジウム触媒反応(山本、宮浦) イリジウム錯体による異性化反応を調査した。γ-アルコキシビニルホウ素化合物からγ-アルコキシアリルホウ素化合物の合成に利用し、[Ir(cod)(PPh_2Me)_2]PF_6でトランス体を、NiCl_2(PPh_2Me)_2でシス体をそれぞれ得られることを見いだした。分子内にカルボニル基を有するγ-アルコキシビニルボランの二重結合異性化反応と、それに続く分子内アリルボレーションにより、トランス体およびシス体の環状エーテルがワンポットで効率よく得られることを見いだした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K.Takahashi, T.Ishiyama, N.Miyaura: "A Borylcopper Species Generated from Bis(pinacolato)diboron and Its Additions to a,b-Unsaturated Carbonyl Compounds and Terminal Alkynes"J.Organomet.Chem.. 625・1. 47-53 (2001)
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[Publications] R.Itooka, Y.Iguchi, N.Miyaura: "A Conjugate Addition of Arylboronic Acids to a,b-Unsaturated Carbonyl Compounds Catalyzed by 2β-CD-[Rh(OH)(cod)]_2 or [RhCl(cod)]_2 in a Single Aqueous Medium"Chem.Lett.. 7. 722-723 (2001)
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[Publications] T.Ishiyama, K.Ishida, N.Miyaura: "Synthesis of Pinacol Arylboronates via Cross-Coupling Reaction of Bis(pinacolato)diboron with Chloroarenes Catalyzed by Palladium(O)-Tricyclohexylphosphine Complexes"Tetrahedron. 57・49. 9813-9816 (2001)
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[Publications] S.Sakuma, N.Miyaura: "Rhodium(I)-Catlyzed Asymmetric 1,4-Addition of Arylbolonic Acids to α,β-Unsaturated Amides"J.Org.Chem.. 66・26. 8944-8946 (2001)
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[Publications] Y.Yamamoto, M.Takahashi, N.Miyaura: "Synthesis of Pinacol Allylic boronic Esters via Olefin Cross-Metathesis between Pinacol Allylboronate and Terminal or Internal Alkenes"Synlett. 1. 128-130 (2002)
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[Publications] T.Ishiyama, J.Takagi, K.Ishida, N.Miyaura, N.R.Anastasi, J.F.Hartwig: "Mild Iridium-Catlyzed Borylation of Arenes. High Turnover Numbers, Room Tempreture Reaction, and Isolation of a Potential Intermediate"J.Am.Chem.Soc.. 124・3. 390-391 (2002)
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[Publications] N.Miyaura: "Organoboron Compounds in Cross-Coupling Reaction in "Topics in Current Chemistry, Vol.219""Springer-Verlag, Berlin Heidelberg. 248 (2001)