2002 Fiscal Year Annual Research Report
後周期遷移金属錯体を基盤とする新ルイス酸触媒系の開発
Project/Area Number |
12450361
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西山 久雄 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40135421)
|
Keywords | 遷移金属触媒 / ルイス酸 / 不斉合成 / オキケゾリン / 水 / ロジウム / 1、3-双極付加 / アルドール反応 |
Research Abstract |
後周期遷移金属錯体を、純粋なルイス酸性のみを発揮する触媒として利用する新規方法を開発することを目的として,光学活性な窒素系配位子を有する後周期遷移金属錯体を設計合成し、不斉合成反応や不斉分子認識配位など様々な活性について検討してきた.分子変換機能や有用物質合成や物性素材の分子開発の基盤研究として役立つことを目標と後周期遷移金属錯体をまったく純粋なルイス酸触媒として利用し、従来の遷移金属触媒の活性を有しないものを開発した.また従来型の典型元素などでは不可能な配位場の立体化学の多様性を創出することができ,水系触媒や回収が自由にできる点に環境調和型触媒としての利点をそなえさせることができる高度な分子触媒として活用することに成功した. 目標の機能を有する光学活性アミノ酸を原料にして新規な三座型の不斉配位子として新規置換ビスオキサゾリニルピリジンPYBOX,ビスオキサゾリニルキサンテンXABOX,ビスオキソザリニルフェニルPHEBOXを合成し、その種々後周期遷移金属錯体を合成に成功した. さらに,ロジウム、ルテニウム、白金錯体をX線結晶解析に10数種成功しX線結晶解析にも成功した.合成した炭素直結型窒素系配位子PHEBOXを結合させたロジウム錯体にて不斉デールス・アルダー反応、不斉ヘテロデールス・アルダー反応、1、3-双極子付加反応、不斉アルドール反応などの炭素炭素結合形成の基本的反応を検討し、従来の方法ではアリル化できないピリジンカルボアルデヒド類のアルキル化にも成功した.さらに、アルデヒド、ケトン、イミン、中間のカルベンなどの配位子した錯体の単離と構造解析をおこない反応の立体経路について考察を加えた.ロジウム錯体は、水和錯体として合成できかつ水和錯体として反応系から回収できる画期的な性質をし、これを活用した水系反応の検討もおこなった.
|
-
[Publications] S.Iwasa, T.Tsushima, H.Nishiyama: "Chiral bis (trialkylsiloxymethyloxazolinyl) pyridine ligands"Tetrahedron. 58. 227-232 (2002)
-
[Publications] S.Iwasa, H.Maeda, K.Nishiyama, S.Tsushia, Y.Tukamoto, H.Nishiyama: "A. Highly enantioselective 1,3-dipolar cycloaddition reaction in alcoholic media : Ni(II)-pybox-tipsom catalyst"Tetrahedron. 58. 8281-8287 (2002)