2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12450362
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村上 正浩 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20174279)
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Keywords | ローダサイクル / 炭素-炭素結合 / 活性化 / 挿入反応 / シクロブタノン |
Research Abstract |
既に筆者らは、3位にオルトスチリル基を持つシクロブタノンに、配位子としてdppp(Ph_2PCH_2CH_2CH_2PPh_2)を持つカチオン性のロジウム(I)錯体を作用させると、benzobicyclo[3,2,1]octam-3-oneが好収率で生成することを見いだしている。この結果は、本研究で目的としたオレフィン挿入反応が起こったことを示す。ただし、二種類の活性化機構を考えることができる。カルボニル炭素とα位炭素間の結合が活性化されて、そこへビニル基が挿入する機構と、α位炭素とβ位炭素間の結合が活性化されて、そこへ挿入が起こる機構である。どちらの炭素間結合が活性化されるかは重要な点であるので、今年度はビニル末端に^<13>C同位体を導入した基質を合成して反応を行い、^<13>Cラベル化炭素が生成物のどこに位置するかをみることにより、いずれの機構で反応が進行しているか調べた。まず、オルト位にホルミル基をもつシクロブタノンを合成し、これにWittig反応により^<13>Cを導入して目的とする基質を得た。^<13>C同位体を導入した基質をdpppを持つカチオン性のロジウム(I)錯体の存在下で加熱したところ、対応するbenzobicyclo[3,2,1]octam-3-oneが得られた。^<13>C同位体はカルボニル基のα位に位置していた。このことから、上記の反応がカルボニル炭素とα位炭素間の結合が活性化されて、そこへビニル基が挿入する機構で進行していることを明らかにした。M.Murakami, T.Itahashi, and Y.Ito
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[Publications] M.Murakami, T.Itahashi, Y.Ito: "Catalyzed Intramolecular Olefin Insertion into a Carbon-Carbon Single Bond"J. Am. Chem. Soc.. 47・124. 13976-13977 (2002)
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[Publications] M.Murakami, H.Igawa: "Rhodium-catalysed Addition of Arylboronic Acids to Oxabenzonorbornadienes"Chem. Commun.. 4. 390-391 (2002)
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[Publications] M.Murakami, M.Ubukata, Y.Ito: "Ruthenium-Mediated Domino Sequence Forming Six-Membered Ring Diene from Ene-Yne and Alkene"Chem. Lett.. 3. 294-295 (2002)
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[Publications] M.Murakami, H.Igawa: "A Study on the Stereochemical Course of Β-Oxygen Elimination with a Rhodium (I) complex"Helv. Chim. Acta. 12・85. 4182-4188 (2002)