2001 Fiscal Year Annual Research Report
セラミック表面をもつ合成脂質リポソームの開発と新機能
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12450364
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
菊池 純一 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (90153056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 善浩 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (90314541)
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Keywords | 有機-無機複合材料 / セラソーム / ナノ微粒子 / セラミックス / リポソーム / 交互積層 / 多細胞モデル / 光触媒機能 |
Research Abstract |
前年度までに、有機材料と無機材料の特性を融合した新規の有機-無機ハイブリッドとして、シリカ表面をもつ「セラソーム」の開発に成功し、その構造特性を明らかにした。本年度は、セラソーム表層の修飾、セラソームの集積化、ならびにベシクル型新規ナノ微粒子としての機能発現に焦点をあてて研究を行った。具体的な研究成果は以下のとおりである。 1.「セラソーム」表層の修飾 「セラソーム」を構成する脂質の頭部にはシラノール基が存在しており、これら頭部がシロキサンネットワークを形成することでセラミック表面が作製される。このベシクル表層の構造や性質を自在に制御することで、様々な機能をもつ「セラソーム」のデザインを可能にした。すなわち、種々の「セラソーム」形成脂質を分子設計し、その合成を行った。また、形成された膜表面を金属アルコキシドを用いてさらに修飾することで、シリカ、チタニア等のセラミック表面をもつベシクル型ナノ微粒子を開発した。 2.「セラソーム」の集積化 「セラソーム」の特徴の一つとして、著しい摸構造安定化効果があげられる。この特徴を活用して、種々のイオン性高分子との複合組織化を検討した。すなわち、ゼータ電位測定によって評価した膜の荷電状態をもとに、反対荷電をもつ高分子との交互積層を行い、基板上に「セラソーム」の自己集積体を構築することができた。この集積体は多細胞モデルとしての機能を発現できる新規材料として有望である。 3.「セラソーム」の機能発現 チタニア表面をもつ「セラソーム」は、リポソームとしての膜特性を有しつつ、チタニア微粒子と同様に光触媒機能を発現することが明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 片桐 清文: "自己組織性を利用した有機-無機複合材料の開発"BIO ONDUSTRY. 18・4. 19-25 (2001)
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[Publications] 菊地 純一: "人工細胞膜で創る超分子ナノデバイス"マテリアルインテグレーション. 14・5. 49-53 (2001)
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[Publications] 菊地 純一: "生体機能を模した超分子デバイスの構築"応用物理. 70・12. 1414-1418 (2001)
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[Publications] Kiyofumi Katagiri: "Preparation and Surface Modification of Novel Vesicular Nano-Particle "Cerasome" with Liposomal Bilayer and Silicate Surface"J. Sol-Gel Sci. Technol.. (印刷中). (2001)
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[Publications] 片桐 清文: "図解ナノテクノロジーのすべて"工業調査会. 4 (2001)
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[Publications] Jun-ichi Kikuchi: "Advances in Supramolecular Chemistry(Volume 8)"Sun Coast Press. 43 (2001)