2001 Fiscal Year Annual Research Report
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12450371
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
八島 栄次 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50191101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 勝浩 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (90303669)
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Keywords | ポリフェニルアセチレン / らせん構造 / 誘起CD / 水中重合 / アミン / 誘起らせん / キラリティー識別 / キラリティー記憶 |
Research Abstract |
申請者らは、側鎖にカルボキシル基等を有する光学不活性なポリフェニルアセチレン誘導体が、DMSO等の有溶媒中、光学活性なアミンなどの存在下、誘起円二色性(誘起CD)を長波長領域に示し、誘起CDの符号と強度が光学活性体の絶対配置、立体構造の予測に繋がることを見い出している。さらに、光学活性体存在下誘起されたらせん構造が、光学不活性な化合物で置換後もそのらせんキラリティーを記憶として保持していることも見い出している。この現象の機構を分子レベルで解明するために、各種アミン存在下でのポリマーのIR測定をCD測定とともに行ったところ、かさ高いアミン存在下、カルボン酸は瞬時にカルボキシラートへと変換するのに対し、CDの強度はこの変化に対応せず、およそ半分のカルボン酸がカルボキシラートへと変換すれば、CD強度はほぼ飽和に達することが分かった。かさ高さの小さいアミンやアミノアルコールを用いた場合は、異なるCD強度とIR変化を示した。さらに、らせん誘起や記憶に及ぼす塩の添加効果を調べた結果、塩の添加によって、ポリマーが希薄状態でも光学活性なアミン存在下、CD強度が著しく大きくなること、さらに、らせん記憶の安定性には塩の添加は、逆に負の効果をもたらし、CD強度が時間ともに著しく減少することなどを見い出した。以上の結果は、側鎖間のイオンペアーおよび静電反発がらせん構造の誘起と記憶に深く関わっている可能性の強いことを示唆しており、これまで明らかでなかったらせん誘起と記憶の機構を考察するうえで貴重な知見である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K. Maeda et al.: "Helix Formation of Poly(phenylacetylene) Derivatives Bearing Amino Groups at the Meta Position Induced by Optically Active Carboxylic Acids"J. Polym. Sci. Part A, Polym. Chem.. 39. 3180-3189 (2001)
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[Publications] E. Yashima et al.: "Switching of a Macromolecular Helicity for Visual Distinction of Molecular Recognition Events"J. Am. Chem. Soc.. 123. 8159-8160 (2001)
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[Publications] H. Onouchi et al.: "A Helical Polyelectrolyte Induced by Specific Interactions with Biomolecules in Water"J. Am. Chem. Soc.. 123. 7441-7442 (2001)