2000 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロ.マクロスケール三次元画像化解析法によるグルの刺激-応答機構の解明と分子設計への展開
Project/Area Number |
12450380
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安藤 勲 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20016637)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 重樹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30293046)
佐藤 満 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10143679)
|
Keywords | 磁場勾配NMR / ゲル / 金属イオン / 拡散係数 / NMRイメージング / ダイナミックス / 三次元画像化 / ミクロ・マクロスケール |
Research Abstract |
NMRイメージング法が核の空間分布の情報を与えることに注目し、超磁場勾配NMRプローブを用いて拡散過程について分子レベルでの情報をもとに、機能性ゲルの刺激-応答の機構をミクロおよびマクロレベルから解明し、分子設計まで展開する方法論を確立することを、本研究の目的とした。さらに、本研究では、同位体ラベルした網目密度の均一なゲルおよび網目密度の不均一なコンポジットゲル、また金属イオンを含んだゲルに刺激として電場、温度、混合溶媒の組成変化を与え、その応答としてゲルの収縮および変形、金属イオン(Li^<1+>イオン、Mn^<2+>イオン)の移動、網目高分子鎖の構造・ダイナミックスの変化をNMRイメージング法で実時間のイメージ画像を測定し、応答のミクロおよびマクロレベルから解明することを目的とする。さらに、これら研究成果を基盤に刺激-応答性高分子ゲルの分子設計システムを進展させ、確立することを目的とする。 実施計画として、最近私どもが開発した高分解能^1HNMRイメージングプローブを本申請で導入した高速データ処理システムを組み込み、従来にない高分解能イメージ画像を観測できるように行った。また、電気的刺激、レーザ光線による温度変化の実験ができるようにNMRプローブ内での装置の組み込みを行った。(1)このシステムの中にハイドロゲルを設置し、電場の印加時間を関数としてゲルの収縮過程を核スピン密度の空間分布および運動の目安になる緩和時間T_2の空間分布を測定し、画像解析することにより収縮機構を解明する。(2)金属イオン(Li^+、Na^+、Ca^<2+>、Mn^<2+>およびCu^<2+>イオン)を含んだゲルに電場印加することにより、金属イオンの空間分布を決定する。これにより金属イオンが網目鎖内をどのように相互作用しながら拡散するのかを解明してきた。(3)温度により相転移するゲルにレーザ線を照射し、部分的に網目鎖を収縮させたとき溶媒がどのように網目鎖間通っていくのかを解明してきた。また、超磁場勾配パルスNMRプローブを用いて網目鎖内の溶媒とプローブ分子または金属イオンの拡散機構の精度高い解析を行う。できるだけ磁場勾配の強さを大きくし、拡散係数が10^<-11>〜10^<-12>cm^2s^<-1>まで測定できるように超磁場勾配NMRプローブを改良し超磁場勾配パルスNMRの拡散の機構の研究への応用の範囲を広げることを行った。 以上のことからNMRイメージング法および超磁場勾配パルスNMR法が高分子研究に有力な方法であることを明らかに示し、今後さらに発展させる。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] M.Kanekiyo,M.Kobayashi,I.Ando,H.Kurosu, and S.Amiya: "A Structural and Dynamic Study of (Ethylene-Vinyl Alcohol) Copolymer Gels by^1H Pulse NMR and Solid-State ^<13>C NMR"Macromolecules. 33. 7971-7976 (2000)
-
[Publications] A.Yamazaki,Y.Hotta,H.Kurosu and I.Audo: "Spatial Distribution of Paramagnetic Mn^<2+> Ions in a Composite PMAA Gel With the Application of an Electric Field as Studied by ^1H NMR Imaging Method"J.Mol.Structure. 554. 47-53 (2000)
-
[Publications] Y.Machida,S.Kuroki,M.Kanekiyo,M.Kobayashi,I.Ando and S.Amiya: "A Structural Study of Water in a Poly(vinyl alcohol) Gel by ^<17>O NMR Spectroscopy"J.Mol.Structure. 554. 81-90 (2000)
-
[Publications] C.Zhao,S.Kuroki and I.Ando: "Diffusional Behavior of n-Alkanes in Polypeptide Gel System with Highly Orieuted Chains as Studied by Pulsed Field-Gradient Spin-Echo ^1H NMR Method"Macromolecules. 33. 4487-4489 (2000)
-
[Publications] Y.Yin,C.Zhao,S.Kuroki and I.Ando: "Diffusional Behavior of Polypeptides in the Thermotropic Liquid Crystalline State as Studied by Pulse Field-Gradient Spin-Echo ^1H NMR Method"J.Chem.Phys.. 113. 9606-9611 (2000)
-
[Publications] M.Kanekiyo,M.Kobayashi,I.Ando,H.Kurosu and S.Amiya: "A structural study of (ethylene-vinyl alcohol) copolymers by high-resolution solid-state ^<13>C NMR"Polymer. 41. 2391-2404 (2000)
-
[Publications] S.Matsukawa and I.Ando: "Gels Handbook : Vol.2, Chapter 2, Section 4"Academic Press, New York, USA. 20 (2000)