2000 Fiscal Year Annual Research Report
電荷注入溶媒牽引法によって高速で大変形する非イオン性高分子ゲル人工筋肉材料
Project/Area Number |
12450382
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
平井 利博 信州大学, 繊維学部, 教授 (30126700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 真志 信州大学, 繊維学部, 助手 (90301209)
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Keywords | ゲル / 溶媒牽引 / 電荷注入 / 人工筋肉 / アクチュエータ |
Research Abstract |
電場で駆動する柔軟材料(人工筋肉)の駆動特性とその機構を明らかにし、新規な自律応答駆動材料の開発に資することを目的に、誘電性溶媒で膨潤した非イオン性ポリマーゲル、特にポリビニルアルコールゲルの駆動、ポリウレタンの電歪現象、ポリ塩化ビニルゲルについて検討した。(1)ポリビニルアルコールゲルでは屈曲に伴う弾性率の変化を明らかにし、電荷注入とそれへの電場の影響で生じる溶媒牽引による歪みの大きさなどを半定量的に推定できることを示した。この場合も空間電荷の非対称分布が屈曲の要因に加えられる必要があることが示唆された。(2)ポリウレタンエラストマーでは歪みは小さいものの屈曲電歪の機構をその成分の酸化還元と対応させることができた。電場の極性を反転させたときに顕在化する電歪の記憶効果を明らかにした。さらに、屈曲方向の制御が塩の微量添加によって可能であることを示し、添加塩の構造と屈曲方向の関係を合理的に説明できた。(3)ポリ塩化ビニルゲルについては従来にないアメーバ様のクリーピング変形の概要を明らかにした。それを屈曲変形などに利用した高速屈曲変形(30ミリ秒で100度以上の屈曲角に達する)が可能であることを見出し、従来の概念を超えた新しい駆動材料の可能性を示すことができた。 特に、ポリ塩化ビニルゲルの場合、駆動機構が前二者と大きく異なり材料が放電過程が律速となって生じる偽足様のクリープに由来する点に大きな特徴がある。生物の駆動を彷彿とさせるものがある。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] M.Watanabe,T.Hirai et al.: "Bending electrostriction in polyurethane using in situ ultravidet and visible spectroscopies"J.Appl.Phys.. 88(9). 5328-5333 (2000)
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[Publications] M Watanabe,T.Hirai et al.: "Hysteresis in Bending Electrostriction of Polyurethane Films"J.Appl.Polym.Sci.. 79. 1121-1126 (2001)
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[Publications] M.Watanabe,T.Hirai et al.: "Control of Bending Electrostriction in Polyurethane Films by Doping with Salt"J.Polym.Sci.Part B. (発表予定)(印刷中).
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[Publications] Md.Zulhash Uddin,T.Hirai et al.: "Electrically Induced Creeping Deformation of Plasticized Poly (vinyl chloride)"Chem.Lett.. 4(印刷中). (2001)
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[Publications] T.Hirai,M.Watanabe et al.: "Electrostrictive Nonionic Polymer Gel-Swift Bending and Crauling Motion-"Mat.Res.Soc.Symp.Proc.. 600. 267-272 (2000)
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[Publications] J.Zehng,T.Hirai et al.: "Electrically Induced Rapid Deformation of Nonionic Gel."Chem.Lett.. 5. 500-501 (2000)
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[Publications] T.Hirai et al.: "Polymer Sensors and Actuators"Springer, Eds.Y.Osada, D.E.DeRiosi. 419 (2000)