2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12450393
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒川 義博 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50134490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犬竹 正明 東北大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90023738)
小林 鶴雄 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90215343)
小紫 公也 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (90242825)
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Keywords | レーザービーム / 宇宙推進 / レーザー推進 / プラズマ |
Research Abstract |
本研究では、レーザー推進を実現させるための比例則を確立することを目的として、そのレーザープラズマを光学的プラズマ診断法により計測し、推進剤ガスのレーザー吸収・加熱特性、電離・励起反応、伝熱・エネルギー散逸等の物理現象を調べた。さらにレーザー推進機を試作して推進剤の種類とその流量、レーザー光出力など各種作動条件を変化させて推力を測ると同時に数値解析シミュレーションを行い、レーザー推進の基本性能を求め、前述の物理現象との関わりを調べた。特に今年度は、推進機のレーザープラズマを保持する領域の通路断面積や長さなどの幾何形状や推進剤の種類とその流量などの作動パラメータがレーザープラズマの生成位置やその挙動、安定性にどのような影響を及ぼすか、さらに推進性能に及ぼす影響について調べた。 その結果、前年度までの成果を受け低流量におけるレーザープラズマの安定維持と定常作動が達成され、アルゴンガスで比推力300秒が到達できた。この値は、水素換算で化学推進の3倍程度に相当し、レーザー推進の有用性が実証された。吸収分光法により排気プルームの温度を測定した。プルームの中心には高温な領域があり、従来の単純なノズル理論だけでは推進性能を算出できないことがわかり、今後も継続的な研究が必要であることがわかった。実験結果および数値シミュレーション結果から、流速・圧力がレーザー推進機の基本性能に対し重要な役割を担っていることが明らかになった。特に、レーザープラズマ周辺のガス流速はレーザーの吸収過程において支配的な役割を果たしていることが示唆された。
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