2001 Fiscal Year Annual Research Report
未利用低品位炭の改質によるエネルギー利用の効率化と環境負荷低減化
Project/Area Number |
12450409
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平島 剛 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00175556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹木 圭子 小樽商科大学, 商学部・(環境科学), 助教授 (30311525)
広吉 直樹 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50250486)
恒川 昌美 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40002026)
福嶋 正巳 産業技術総合研究所, つくば西事業所・環境管理研究部門, 主任研究員
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Keywords | 低品位炭 / 改質 / アルカリ熱水処理 / 脱灰 / 六価クロム / 改質液 / 還元作用 / カテコール |
Research Abstract |
試料として-1000μmのベルガ原炭、改質炭(改質温度270℃、300℃、330℃)を用い、アルカリ熱水溶液法で脱灰実験した結果、原炭よりも改質炭が、改質炭でも改質温度が高い方が、アルカリが有効に鉱物質に作用し、高い可燃成分回収率で低い灰分の精炭が得られた。これは改質操作において石炭中の親水性官能基が分解され、石炭がアルカリに溶解しにくくなったためと考えられる。300℃改質炭を平均粒子径11μmに粉砕した試料について浮選実験を行った後、得られたフロス(灰分4.7%)についてアルカリ熱水溶液法による脱灰実験を行った。また、浮選に供する改質炭試料(灰分7.8%)についても同様に実験を行った。浮選処理していない改質炭のアルカリ熱水溶液法の場合、石炭懸濁液濃度29%で精炭の灰分が5.5%、可燃成分回収率が91%であるのに対し、浮選処理した石炭試料の場合、同じ懸濁液濃度で灰分が1.1%、可燃成分回収率は93%であった。この結果より、物理的選炭とアルカリ熱水溶液法を組み合わせることは、アルカリ消費量を減らすのに非常に有効であることがわかった。また、アルカリ熱水溶液法による脱灰に関して石炭試料の粒度は、あまり影響せず、HWD処理する以外の特別な粉砕は必要ないことがわかった。 改質液中の含有有機物のジエチルエーテル抽出物質についてGC/MSで分析を行った結果、検出された成分のほとんどがフェノール、カテコール類であり、これらの物質の主要物質は、HPLCにより分取及び分析可能であった。さらに、これらの物質は還元性を持つところから、改質液のTOC濃度5000ppm、六価クロム濃度2.7x10^<-2>mol/dm^3とし六価クロムの高濃度還元試験を行った。その結果、改質液には高い濃度(2.7x10^<-2>mol/dm^3)の六価クロムを水質基準である9.6x10^<-7>mol/dm^3(0.05mg/dm^3)以下にまで還元する能力があること、さらにその還元作用に及ぼす水素イオン濃度の影響が大きいことを明らかにした。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Tsuyoshi Hirajima: "Removal of Mineral from Fine Coal"Proceedings of. 11th Int.Conf. on Coal Science. ICCS-PAPER396,Track2,TopicD. 1-4 (2001)
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[Publications] 伊藤真由美: "高硫黄石炭ずりからの鉄溶出特性と浸出水を用いた石炭脱硫浮選"資源と素材. 117. 961-966 (2001)
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[Publications] Tsuyoshi Hirajima: "Separation Performance of Zigzag Air Classifier"Proceedings of 6th Int.Symp.East Asian Recycling Technology. 759-764 (2001)
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[Publications] 恒川昌美: "Annual Energy Reviews 1999 -II.2・3・1コールクリーニング-"日本エネルギー学会誌. 80. 544-546 (2001)
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[Publications] 笹木圭子: "休廃止鉱山の鉱滓堆積場におけるコア中の鉱物の鉛直分布"資源処理技術. 48. 75-84 (2001)
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[Publications] Masami Fukushima: "Degradation characteristics of humic acid during photo-Fenton processes"Environmental Science & Technology. 35. 3683-3690 (2001)
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[Publications] Masami Fukushima: "Determination of intrinsic stability constants of toxic divalent metal ions to alginic acid"Analytical Sciences. 17. 663-666 (2001)
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[Publications] Masami Fukushima: "Degradation Pathways of Pentachlorophenol by Photo-Fenton Systems in the presence of Iron(III), Humic Acid and Hydrogen Peroxide"Environmental Science & Technology. 35. 1771-1778 (2001)
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[Publications] Masami Fukushima: "Effect of phenolic acids in humic acid on the facilitation of pentachlorophenol degradation by the photo-Fenton reaction"Toxicological and Environmental Chemistry. 79. 9-21 (2001)