2000 Fiscal Year Annual Research Report
マルチボアホールからなる地殻エネルギー抽出システムの最適化に関する研究-貯留層拡大と抽熱量の飛躍的向上を目指して-
Project/Area Number |
12450410
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋田 俊之 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40180814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新堀 雄一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90180562)
松木 浩二 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10108475)
林 一夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111256)
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Keywords | 次世代型地熱 / 水圧破砕 / 抽熱 / 貯留層 / 数値解析コード / 流体移動モデル / フラクタル / せん断膨張角 |
Research Abstract |
平成12年度には、以下の研究1-3を行い、これまで申請者らが開発してきたFRACSIMをさらに高度化することにより抽熱性能を予測するための基礎を構築した。 研究1.天然き裂面の性状とせん断すべり挙動の推定法に関する研究 ボーリングコア中に含まれる天然き裂面のフラクタル特性に基づき、任意の寸法の天然き裂面性状を予測するためのアルゴリズムを開発した。本アルゴリズムに基づき、せん断膨張角ならびに透水き裂の最大開口量を規定するき裂面粗度を推定する手法を考案した。特に、せん断膨張角の破面寸法依存性をフラクタル理論を基に明らかにしそのスケーリング則を提案した。 研究2.フラクタルき裂内の流体移動モデルに関する研究 天然き裂面上の突起分布の標準偏差と水力学的に有効なき裂間隔と寸法依存性を数値解析ならびに1m規模の試験片を用いた実験により評価した。これにより、水力学的に有効なき裂間隔と突起分布の標準偏差の関係を定式化した。この知見に基づき、簡易な天然き裂面流体移動モデルを構成し解析アルゴリズムを開発した。 研究3.き裂型貯留層の水圧破砕・抽熱解析コードの確立に関する研究 従来のFRACSIMに,上述の研究1、2の成果であるアルゴリズムを移植し、水圧破砕・抽熱解析コードを構成した。これを用いて、EUのソルツフィールドの水圧破砕実験結果を模擬し、開発した解析コードにより実験結果の貯留層領域の規模ならびに形状をほぼ予測しうることを示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Shimizu,T.Hashida,K.Watanabe,J.Willis-Richards: "New Development of 3-D Stochastic Model for Design of HDR/HWR Geothermal Reservoir System"Proc.of World Geothermal Congress 2000, (May 28-June 10,2000,Kyushu-Tohoku,Japan). 3877-3882 (2000)
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[Publications] Z.Jing,J.Willis-Richards,K.Watanabe and T.Hashida: "A Three-dimensional Stochastic Rock Mechanics Model of Engineered Geothermal Systems in Fractured Crystalline Rock"Journal of Geophysical Research. 105・B10. 23663-23679 (2000)
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[Publications] 清水歩,渡邊公雄,橋田俊之: "水圧破砕による断裂型地熱貯水層の拡大と抽熱量の増大に関する数値シミュレーション"日本地熱学会平成12年度学術講演会講演要旨集(平成12年11月20-22日). A32 (2000)
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[Publications] 清水歩,渡邊公雄,橋田俊之: "き裂内流動を考慮した断裂型地熱貯留層の形成に関する数値シミュレーションによる研究"平成12年度資源・素材関係学協会合同秋季大会講演資料(2000年10月3日-5日、秋田大学). 127-128. (2000)