2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12450411
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松木 浩二 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10108475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 清彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40177184)
坂口 清敏 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50261590)
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Keywords | き裂透水性 / き裂の閉鎖 / き裂のせん断変形 / 一般的応力条件 / 時間依存性 / 封圧三軸圧縮試験 |
Research Abstract |
本年度は,一般的応力条件における透水実験装置を設計・試作するとともに,これまで測定されてこなかった岩石の緩和係数を測定する装置を設計・製作し,花崗岩と砂岩についてクリープコンプライアンスと緩和係数を測定した. 透水実験装置は,耐圧30MPaの大型圧力容器(外径260mm,内径200mm,高さ700mm),間隙水圧を負荷するための定流量送水システム(制御容量ポンプ;吐出量0.0529l/min,吐出圧力1.5MPa)ならびに試験片をセットした圧力容器を現有のサーボコントロール型材料試験機(100tf)に移動・設置する装置からなっている.これらの装置が所定の機能を有していることを確認した後,三軸圧縮応力条件で滑りを許しながら透水試験を行うための試験片の形状と被覆方法の検討を行った. 岩石の緩和係数は,一辺が約120mmの立方体試料に直径10mmの超硬合金(WC)製丸棒を圧入することによって行った.予備実験を行った結果,圧入量を一定に保持すると,材料試験機や測定装置ならびに岩石試料の線膨張係数の差により実際の岩石への圧入量を一定に保持できないことがわかった.そこで,荷重を一定に保持してクリープコンプライアンスを測定し,測定結果に関数のあてはめを行った後,これをLaplace逆変換することによって緩和係数を求めた.緩和係数に関して得られた主な知見は次の通りである. 1)緩和係数は時間とともに始め急激に小さくなるが,120時間から150時間でほぼ一定になる.本研究で求めた荷重レベルでは,緩和量は弾性変形分の1割以下である. 2)花崗岩と砂岩を比較すると,花崗岩は緩和量がかなり小さく,かつ一定に達するまでの時間が短い. 3)緩和量は荷重とともに増加する.すなわち,緩和係数は荷重または変位依存性がある.
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