2002 Fiscal Year Annual Research Report
コムギにおける日長感応性細胞質雄性不稔の分子的基礎
Project/Area Number |
12460006
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
村井 耕二 福井県立大学, 生物資源学部, 助教授 (70261097)
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Keywords | コムギ / 細胞質雄性不稔 / pistillody / ミトコンドリアDNA / 稔性回復遺伝子 / MADSボックス遺伝子 |
Research Abstract |
連続戻し交配により近縁野生種Aegilops crassa細胞質を導入したコムギ品種「農林26号」は、15時間以上の長日条件下で、雄ずいの雌ずい化(pistillody)により雄性不稔(日長感応性細胞質雄性不稔:PCMS)となる。一方、コムギ品種「Chinese Spring」(CS)の7B染色体長腕には、PCMSに対する稔性回復遺伝子(Rfd1)が存在し、pistillodyを抑制する。本研究の目的は、PCMSの分子的基礎を明らかにすることである。本年度は、以下の点について明らかにした。 1.稔性回復遺伝子(Rfd1)およびpistillodyに関与する核遺伝子の解析 Rfd1遺伝子を持たないCSダイテロソミック7BS細胞質置換系統((cr)-CSdt7BS ; pistillody)およびRfd1遺伝子を持たないCSダイテロソミック7BS正常細胞質系統(CSdt7BS;正常雄ずい)の幼穂由来RNAを用いたcDNAサブトラクション法により、pistillody系統で特異的に発現量が増加あるいは減少する遺伝子を単離した。その中には、ミトコンドリア遺伝子cox1やatpAが含まれ、細胞質置換系統におけるこれらの遺伝子の発現変化が下に示すMADSポックス遺伝子の発現パターンに影響を及ぼすと考えられる。 2.コムギMADSボックス遺伝子の解析 細胞質置換系統のpistillody誘発には、クラスBおよびクラスC MADSボックス遺伝子が関与すると考えられる。昨年度単離したクラスB遺伝子であるPISTILLATA型遺伝子WPIの発現パターンをin situハイブリダイゼーション法により詳細に解析した。一方、クラスC遺伝子であるWAG2を単離し、クラスB遺伝子と共に解析を行ったところ、クラスB遺伝子の発現パターンの変化がpistillodyの直接的原因であることが明らかとなった
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[Publications] Murai, K.: "Comparison of two fertility restoration system against photoperiod-sensitive cytoplasmic male sterility in wheat"Plant Breeding. 121. 363-365 (2002)
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[Publications] Meguro, A., S.Takumi, Y.Ogihara, K.Murai: "WAG, a wheat AGAMOUS homolog, is associated with development of pistil-like stamens in alloplasmic wheats"Sexual Plant Reproduction. 15. 221-230 (2003)