2000 Fiscal Year Annual Research Report
ホスファチジルイノシトール3キナーゼによる核への伝達情報
Project/Area Number |
12460039
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福井 泰久 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00181248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊原 さよ子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (80292788)
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Keywords | ホスファチジルイノシトール3キナーゼ / 核移行 / Rac / グアニンヌクレオチド交換因子 / GTPase促進活性因子 / ラッフル膜 / Gタンパク質 / 核外輸送 |
Research Abstract |
ホスファチジルイノシトール3キナーゼの反応産物PIP_3に結合するタンパク質を検索し、核に存在するPTP3BPを同定した。このタンパク質は小胞輸送に関与するGタンパク質ArfのGTPase促進活性因子(GAP)と相同性を有していたが、Arf-GAP活性は検出できなかった。そこで、Arf類似のタンパク質類に対するGAP活性を検索した。その結果、Arl2とArl6に対するGAP活性があることを示唆する結果を得た。今後、この可能性について、生化学的な検討を続ける予定である。一方、別のPIP_3結合タンパク質Swap70はB細胞特異的組換え因子のサブユニットであることが予想され、核移行することが予想された。実際に核外輸送機構を阻害するレプトマイシンB存在下で、核に蓄積することが認められたが、これはホスファチジルイノシトール3キナーゼ非依存的であると思われた。しかし、このタンパク質はホスファチジルイノシトール3キナーゼの活性化に伴ってラッフル膜に移行することが観察された。そこで、ラッフル膜形成を調節しているとされるGタンパク質のRacとの関係を詳細に調べたところ、Swap70は情報伝達形の中でRacの上流に位置し、PIP_3依存的にRacを活性化するグアニンヌクレオチド交換因子であることが判明した。この発見により、永らく不明であったホスファチジルイノシトール3キナーゼからRacのシグナル伝達系のあらましが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Morisaki,N., et al.: "Phosphorylation of unnatural phosphatidylinositols with phosphatidylinositol 3-kinase."Tetrahedron. 56. 2603-2614 (2000)
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[Publications] Nishio,Y., et al.: "Quantification of phosphatidylinositol 3,4,5-trisphosphate by liposome lysis assay with specific monoclonal antibodies."Anal.Biochem.. 285. 270-273 (2000)
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[Publications] Yokogawa,T., et al.: "Evidence that 3'-phosphorylated Polyphosphoinositides are generated at the nuclear surface use of immunostaining technique with monoclonal antibodies specific for PI 3,4-P_2."FEBS Letters. 473. 222-226 (2000)
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[Publications] Harada Y., et al: "Novel role of PI3-K in CD28-mediated costimulation."J.Biol.Chem.. (in press). (2000)