2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12460049
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
米山 弘一 宇都宮大学, 野生植物科学研究センター, 教授 (00114174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏秋 知英 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10134264)
小笠原 勝 宇都宮大学, 野生植物科学研究センター, 助教授 (40194419)
竹内 安智 宇都宮大学, 野生植物科学研究センター, 教授 (90008003)
佐々木 いづみ 小山工業高等専門学校, 物質工学科, 助手 (70270220)
横田 孝雄 帝京大学, 理工学部, 教授 (40011986)
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Keywords | 寄生雑草 / 発芽刺激物質 / 吸器誘導物質 / 宿主認識メカニズム / ストリゴール / オロバンコール / 遺伝子解析 / 細胞壁分解酵素 |
Research Abstract |
種々の植物(作物)が生産・分泌する寄生雑草ヤセウツボ種子発芽刺激物質を、前年度に確立したLC/MSによる微量分析法によって解析した。その結果、ニンジンの主な発芽刺激物質はストリゴールであること、ダイズではオロバンコールおよびアレクトロールであることが判明した。エンドウおよびトマトの発芽刺激物質については量的な問題から構造決定には至っていないため、大量のサンプルを調製中である。 ヤセウツボの宿主であるアカクローバーの水耕液を材料として吸器誘導物質を探索した結果、吸器誘導物質はアカクローバー(の根)と発芽したヤセウツボ種子の共存下で初めて生成することを確認した。すなわち、発芽した幼根から分泌された何らかの化学物質あるいは酵素が、宿主の根に働きかけた結果として吸器誘導物質が生ずることになる。 一方、シロイヌナズナへのヤセウツボの寄生は、寒天培地上では進行しないことが判明し、シロイヌナズナの毛状根とヤセウツボのカルスを用いる実験系を構築中である。 また、宿主への侵入過程に関与すると想定されるヤセウツボの細胞壁分解酵素の中で最も活性が高いβ-グルコシダーゼの精製に成功した。この酵素は細胞壁結合型なので、宿主の細胞壁に高濃度で作用し、宿主に防御反応を誘導することなく、共生的に寄生を成立させている可能性が示された。同酵素について抗体を作成して発現部位などを精査するとともに、遺伝子からも解析を行っている。 ヤセウツボの遺伝子解析では、すでに300以上のcDNAのクローニングを行い、そのうち1/3についてシーケンスも終了した。宿主認識に関与していると考えられる遺伝子については、発芽から寄生確立までの過程における遺伝子発現の変動について解析する予定である。 以上のように、本研究は当初の研究計画に沿って順調に進展している。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K. Yoneyama, Y. Takeuchi, T. Yokota: "Production of clover broomrape seed germination stimulants by red clover root requires nitrate but is inhibited by phosphate and ammonium"Physiologia Plantarum. 112(1). 25-30 (2001)