2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12460053
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
磯貝 彰 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (20011992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩野 恵 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教務職員 (50160130)
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Keywords | 植物病原細菌 / Pseudomonas / 粘性細菌 / Stigmatella / stigmolone / 植物毒素 / 子実体形成 |
Research Abstract |
1)植物病原細菌のシグナル分子に関する研究 Pseudomonas syringae pv.syringae SY12株を用い、syringostatin生産に関する遺伝子を単離した。この際、syringomycin生産にかかわる遺伝子として知られているsyrBとの相同性を利用した。その結果、4.1kbのクローンを得、そこにsyrBと92%の相同性を有する配列を認め、sysBと名付けた。この遺伝子の内部にカナマイシン耐性遺伝子を挿入し、これをSY12株の形質転換して、sysBが破壊された変異株を得た。この変異株は、予想通り、syringostatinを生産能を失っていることを抗菌活性、及びHPLCでの標品との比較により確認した。この変異株は、人工培地中での生育は野生株と同じであるが、ハクサイに接種した場合の生育は、野生株(病原性を有する)に比較して悪く、syringostatinが病徴発現に関係する可能性を示唆した。 2)粘性細菌のシグナル分子に関する研究 子実体誘導因子であるstigmoloneと、子実体誘導条件である光あるいは栄養飢餓との関係を生物検定及び、質量分析法による定量により求めた。その結果、stigmoloneは栄養増殖細胞からは回収されず、栄養飢餓後、光照射下で発現が誘導され、その量は、子実体が形成される時期に最大となった。また子実体形成、stigmolone生産に活性酸素が関与していることが各種阻害剤を用いた実験から判明した。また、stigmoloneは本菌の集合、子実体形成、胞子形成のいずれのステージにも関与していることが明らかとなった。現在、子実体形成にかかわる遺伝子群を単離しつつあり、それらの発現と、子実体形成の環境要因との関連を調べている。
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