2000 Fiscal Year Annual Research Report
魚類の性分化におけるアポトーシス(自殺細胞死)の役割
Project/Area Number |
12460085
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 崇 東京水産大学, 水産学部, 助手 (40313390)
吉崎 悟朗 東京水産大学, 水産学部, 助手 (70281003)
山下 倫明 水産庁中央水産研究所, 加工技術研究室, 室長・併任助教授
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Keywords | 性分化 / アポトーシス / 性特異的マーカー / 生殖細胞特異的マーカー / 魚類 / ゼブラフィッシュ / ペヘレイ / ニジマス |
Research Abstract |
本研究では,水温,塩分など異なる環境下で飼育した仔稚魚の生殖腺におけるアポトーシスの誘導に関わる分子を解析し,アポトーシスの性分化への影響を解明する。 まず、遺伝的全メス系統(XX)および野生型を用いて,ゼブラフィッシュの性分化過程を解析した結果,遺伝的全メス系統(XX)の表現型メスの割合は,98.3±2.4%であった。これに対し,野生型の表現型メスの割合は,47.5±7.5%であった。TUNEL染色の結果,最も劇的な生殖腺細胞でのアポトーシスは,孵化後23から25日目のオスの生殖腺で,アポトーシスを誘発している早期双糸期卵母細胞が総生殖腺細胞のうち0.93±0.21から1.49±0.23%のTUNEL陽性卵母細胞が観察された。その後,卵母細胞は孵化後29日目までに完全に消失した。また,オスの個体でアポトーシスを誘発している卵巣腔の体細胞が,孵化後23から35日目に観察された。孵化後15日目になるとすべての個体で早期双糸期卵母細胞でアポトーシスが誘発され,孵化後19日目になるとその数は増加した。この結果から,オスの性分化過程における卵母細胞の消失が,アポトーシスの誘発により生じることが明らかとなった。生殖細胞のアポトーシスが,性分化が誘導されると考えられる。 一方、形態学的に未分化な生殖腺を持つ個体の性判別するために、ペヘレイを用いた連鎖解析による性特異的DNAマーカーの探索の準備を進め、(CA)n繰り返し配列を含むマイクロサテライトマーカーの単離を試みた。現在までに約50個のマイクロサテライト陽性クローンを単離し、解析を進めている。さらに、生殖細胞と通常の体細胞を判別するために、生殖細胞特異的マーカー(vasa mRNA)に対するプローブを開発した。最初にニジマスを用いて、vasa遺伝子のニジマスホモログcDNAを単離した。続いて得られたcDNAを鋳型に用いてRNAプローブを作製し、ニジマス初期胚に対してホールマウントin situハイブリダイゼーションを行った。その結果ニジマス初期胚においてもvasa遺伝子が生殖細胞系列特異的に発現していることが明らかとなり、本遺伝子の発現がPGC同定の際のマーカーとなり得ることが示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sakamoto,T.: "A microsatellite linkage map of rainbow trout (Oncorhynchus mykiss) characterized by large sex-specific differences in recombination rates"Genetics. 155. 1331-1345 (2000)
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[Publications] Yoshizaki,G.: "Cloning and characterization of a vasa-like gene in rainbow trout and its expression in the germ cell lineage"Molecular Reproduction and Development. 55. 364-371 (2000)
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[Publications] Yoshizaki,G.: "Germ cell-specific expression of green fluorescent protein in transgenic rainbow trout under control of the rainbow trout vasa-like gene promoter"International Journal of Developmental Biology. 44. 323-326 (2000)
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[Publications] Strussmann,C.A.: "Proceedings of the First International Conference on Advanced Technologies in Fisheries and Marine Sciences,Trivandrum,India"Methods of sex control in fishes and an overview of novel hypotheses concerning the mechanisms of sex differentiation(In press). (2001)