2000 Fiscal Year Annual Research Report
フジツボ幼生付着機構の分子細胞生物学的研究:海産付着生物の防除と有効利用の基礎
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12460087
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
岡野 桂樹 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教授 (40147070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加戸 隆介 北里大学, 水産学部, 助教授 (40161137)
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Keywords | フジツボ / 付着 / 接着剤 / 幼生 / 付着防除 / 開口分泌 / 海産無脊椎動物 / 珪藻 |
Research Abstract |
本年度の研究は、新設の秋田県立大学において、フジツボ研究の実験系を確立するために必要な基礎データ集積に主眼をおき、実行された。以下に概要を示す。 1.セメント腺単離が可能なキプリス幼生の選定と実験可能時期:北東北地方で得られ、セメント腺(細胞)が単離可能なキプリス幼生は、ミネフジツボBalanus rostratus、チシマフジツボSemibalanus cariosus、アカフジツボMegabalanus rosaの3種であった。今年度の場合、それらのキプリス幼生は実験室内飼育でそれぞれ1月、4月、11月に得られた。 2.自然界でのキプリス幼生の採取と珪藻研究の必要性:チシマフジツボは三陸沿岸で、春の珪藻の大増殖が引き金となり、幼生を放出するため、大量のキプリス幼生が採集可能なはずであった。しかし、本年度は大量採取ができていない。珪藻の大増殖は食物連鎖の出発点として、幼生の孵化、ノープリウス幼生の発生、付着に関する最も基本的で重要な問題である。また、上記3種のノープリウス幼生の飼育には適当な珪藻が必須である。以上のことから、フジツボ研究の基盤整備には珪藻の基礎研究が欠かせないことが判明した。 3.珪藻の基礎研究:フジツボ幼生飼育に適する珪藻、および数種のモデル珪藻を飼育し、さまざまな角度から実験を試みている。特に、珪藻増殖機構の解明に向け、珪酸被殻の新生と分裂の仕組みをレーザー顕微鏡を用いて明らかにするための技術手法を開発しつつある。 4.キプリス幼生の外分泌細胞の分泌機構解明に関する基礎データの集積:セメント腺、およびセメント腺細胞の単離については基本的にアカフジツボキプリス幼生で確立された方法(Okano et al.,1996,1998)が他のフジツボにも応用可能であることが判明した。一方、どのフジツボからもcDNA library構築に充分な量のmRNAを得ることはできていない。そこで、チシマフジツボ、アカフジツボキプリス幼生のmRNAから、RT-PCR法を用いて、開口分泌関連遺伝子の単離をめざしている。
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[Publications] 前田邦夫,加戸隆介,北崎寧昭: "三河湾における各種金属およびプラスチック材料の生物汚損度の比較"Sessile Organisms. 18(1). 35-39 (2001)
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[Publications] Okano,K.& Hunter,E.: "Aquatic Invertebrate Cell Culture (Chapter 13 : Culture of bryozoans and barnacles : Application of larval cell culture to biofouling studies)"Springer Verlag (Eds.Mothersill,C.& Austin,B.). 409,239-322 (2000)