2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12460099
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐藤 豊信 岡山大学, 農学部, 教授 (40144737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 敏 岡山大学, 農学部, 助教授 (60192738)
横溝 功 岡山大学, 農学部, 教授 (00174863)
小松 泰信 岡山大学, 農学部, 教授 (10215395)
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Keywords | 堆肥広域的流通システム / 堆肥輸送コスト削減 / 堆肥生産コスト削減 / 肉用牛放牧 / 人・環境に調和した生産方式 / 極上コシヒカリ栽培 / 地域活性化 / DEMATEL法 |
Research Abstract |
本研究では,岡山県内の堆肥センター,大分県・島根県などの肉用牛放牧の先進地,岡山県・富山県・岩手県・京都府など有機農産物や地域活性化に取り組んでいる事例を対象に,精査した。その結果,下記の四つの知見を得ることができた。 1.岡山県内における堆肥需要量の予測を行い,その需要に対応する堆肥量を輸送するために,県内の七つの堆肥施設から,堆肥需要地までの輸送コスト最小化を可能とする広域的輸送システムの設計を行った。また,堆肥生産施設におけるコスト削減方策について研究し,輸送コスト削減と堆肥生産コスト削減を通じて,ほぼ,現状の堆肥販売価格を50%低下させる可能性のあることを明らかにした。 2.資源循環型の畜産経営の特徴・経済性・課題を明確にするために,大分県・島根県で現地調査を行い,技術・経営データを収集し,放牧による飼料節約効果,労働節約効果について計測を行った。その結果,高齢農家の経営存続が可能になることを明らかにした。 3.「環境保全型農業の推進による地域特産物の育成」は,岡山県農政の重点事項の一つである。東備普及センターにおいて取り組まれている,農業生産に関わる家畜糞尿資源等の利活用による,人・環境に調和した生産方式を評価した。JA氷見市においては,牛糞完熟堆肥を投入した極上コシヒカリ栽培の展開に関わるJAの機能を,いわて生協では産直運動と子ども事業のなかに見られる資源循環型地域活性化への志向性を明らかにした。 4.京都府の綾部市,美山町,精華町を対象に,DEMATEL法によって分析したところ,循環的な資源利用が地域発展に及ぼす影響は低く,活性化の宥効な「歯車」として十分機能していないことを明らかにした。トータルな意味での「資源循環を組み込んだ地域活性化システム」の確立が望まれた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 駄田井久, 佐藤豊信, 星野敏: "共同堆肥化処理施設の経営改善に関する一考察"農林業問題研究. 36巻4号. 157-160 (2001)
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[Publications] 横溝功: "中山間農業を支える肉用牛繁殖部門 -粗放型繁殖経営と集約型繁殖経営-"畜産の情報. 第148号. 4-14 (2002)