2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12460113
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三野 徹 京都大学, 農学研究科, 教授 (10026453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 公人 京都大学, 農学研究科, 講師 (30293921)
田中 樹 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10231408)
津田 盛也 京都大学, 農学研究科, 教授 (10026578)
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Keywords | 硝酸性窒素 / 脱窒リアクター / 固定化担体 / 微生物コンソーシア / DNA解析 / クロボク土 / 数値シミュレーション / 酸化還元電位 |
Research Abstract |
研究成果の概要は以下の通りである. (1)既に試作した20リットル脱窒リアクターに加えて,実用プラントに近い5,000リットルのリアクターを作成し,現地への適用実験を行った.いくつかの技術的改良を加えることにより,年間を通して安定に硝酸性窒素を除去できることを確認するとともに,リアクターの設計や運転に必要な諸元を得ることができた. (2)20リットルリアクターによる実験を引き続き行い,固定化担体中の微生物のコンソーシアの特徴的な変化をDNA分析手法を適用して確認した. (3)典型的な畑作土壌である火山性クロボクと砂丘砂を用いたカラム実験により,両土壌では硝化作用が大きく異なることを明らかにし,その現象を数値的にシミュレートするモデルを完成させた.また,そのモデルを用いて,施肥操作の数値実験を行って硝酸排出の負荷の少ない施肥法について検討した. (4)物質循環を具体的の応用した技術として,畜産・酪農分野では実用化が進んでいるが,酪農分野における採草畑の土壌中での窒素の挙動について,米国カリフォルニア州における実験圃場での観測結果をもとに分析と検討を行った. (5)傾斜地水田の法面部は,地下水の変動により激しく酸化還元状況が変化するが,この法面を含めて,傾斜地水田で特有の窒素の移動・分解が生じていることを,地下水変動解析と遺伝子解析手法を適用して明らかにした. (6)以上は,主な研究成果であるが,その他,硝化・脱窒に関する実験や現地レベルの多くの研究成果をあげた.それらの成果を体系的に整理し,一連の研究成果を総合的なとりまとめを行い,今後のこの課題への新たな展開の基礎を築くことができた.
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