2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12460127
|
Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
太田 光明 麻布大学, 獣医学部, 教授 (20134504)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和久井 信 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (40201157)
政岡 俊夫 麻布大学, 学長 (30063978)
塩田 邦郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80196352)
植竹 勝治 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (00312083)
田中 智夫 麻布大学, 獣医学部, 教授 (40130893)
|
Keywords | 地震 / 電磁波 / 家庭犬 / 異常行動 / カルシウムイオン / 遺伝子 / ドーパミン受容体 / 前兆情報 |
Research Abstract |
地震前の動物の異常行動は、地震前兆を感知した動物のストレス反応の一つであろうとの仮説のもとに研究を重ねてきた。しかし、地震前兆として起こりうる物理現象(電磁波異常など)を実験動物に与えても、前兆的な「異常行動」は未だ再現できない。今年度は、原点に戻り、いくつかの実験を再度行い、同時に、「地震感知」遺伝子の解析、さらには前兆情報収集システムのモデル構築を行った。 1)過去、実験に使用したビーグル犬は、「実験動物」として繁殖・飼育されたもので、いわゆるコンパニオンアニマルではない。今年度、3頭の「家庭犬」を用いて、再度、電磁波照射を行ったところ、うち2頭に明らかな行動変化を認めた。現在、これら3頭の尿中カテコールアミン分析を進めている。 2)ウシガエルを用い、八木式摘出心臓灌流標本を作成し、電磁波の照射実験を行ったところ、電磁波はカエル心臓に対して、細胞内へのカルシウムイオンの流入機構を抑制することによって、心拍数、収縮高が減少する可能性が示唆された。つまり、動物の異常行動は細胞内外のカルシウムの変調に起因することが強く示唆された。 3)神戸市を中心に兵庫県の激震地域の動物(イヌおよびネコ)の遺伝子解析では、ドーパミン受容体の遺伝子およびCRF遺伝子に焦点を当てた。ドーパミンは人間を含む動物の行動に関わる神経伝達物質として重要であり、その受容体の遺伝子が明らかになっている。今年度は、そのなかでもD4受容体遺伝子に着目して、その解析を鋭意進めている。 4)兵庫県南部地震の直後、一般市民から集められた前兆情報のなかには、古来からの地震前兆情報であると考えられてきた夥しい数の報告が含まれていた。特に、動物の前兆的異常行動に顕著であった。平成14年度には、富士通株式会社ならびに株式会社NTTドコモ関西との産学協同体制でこの「動物の異常行動」の情報収集システムの構築に取組んだ。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Kimura H, Shiota K.: "Methyl-CpG-binding Protein, MeCP2, Is a Target Molecule for Maintenance DNA Methyltransferase, Dnmtl."J Biol Chem. 278・7. 4806-4812 (2003)
-
[Publications] Shiota K, Kogo Y, Ohgane J, Imamura T, Urano A, Nishino K, Tanaka S, Hattori N.: "Epigenetic marks by DNA methylation specific to stem, germ and somatic cells in mice."Genes Cells. 7・9. 961-969 (2002)
-
[Publications] Nakahara K, Abe Y, Murakami T, Shiota K, Murakami N.: "Pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide (PACAP) is involved in melatonin release via the specific receptor PACAP-rl, but not in the circadian oscillator, in chick pineal cells"Brain Res. 939・1-2. 19-25 (2002)
-
[Publications] Ishiwata T, Uetake K, Tanaka T: "Factors affecting agonistic interactions of pigs after regrouping in pens with a box"Anim Sci J. 73・5. 409-415 (2002)
-
[Publications] Ito S, Tanaka T, Shimoto T: "Effects of an 'enrichment feeder' on behaviour and feather conditions of caged laying hens"Anim Sci J. 73・2. 149-153 (2002)
-
[Publications] Tachi C, Enomoto T, Ohta M, et al.(他14名): "Successful Molecular Cloning and Nucleotide Sequence Determination of Partial Amelogenin (AMELX) Exon DNA Fragment Recovered from a Mounted Taxidermic Pelt Specimen Tentatively Identified as an Extinct Wolf Species, Canis lupus hodophilax Temminck, the Japanese Wolf and Stocked at School of Agriculture and Life Sciences, the University of Tokyo"J Reprod Develop. 48・6. 633-638 (2002)