2002 Fiscal Year Annual Research Report
SSR標識を用いたダイズコアコレクションの確立と遺伝育種研究への応用
Project/Area Number |
12460142
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
阿部 純 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (00192998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 章 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (30281794)
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Keywords | ダイズ / コアコレクション / マイクロサテライト / 多様性 / 低温耐性 |
Research Abstract |
本研究は、栽培および野生遺伝資源を有効に利用するために不可欠なコアコレクションを構築することを主目的として行った。過去2年間の研究成果に基づき、日本および中国の栽培ダイズ集団を特徴づける9個の単純反復配列(SSR)マーカーを選び、北海道、東北、中国東北部および北欧より導入された極早生品種について各系統の遺伝子型を同定した。得られた結果をUPGMA法およびPCA分析を用いて解析したところ、北海道の極早生品種は二つの品種群に、また東北地方の極早生品種は前者の2群とは異なる品種群に分類された。北海道の極早生品種群のうち一つは、韓国や九州から導入された極早生品種と同じ群に分類された。一方、中国や極東ロシアの極早生品種はこれら日本の品種群とは異なる品種群を形成した。これらの結果から、ダイズの極早生品種を代表するコアコレクションを構築した。これらの品種群のうち、北海道の二つの品種群については、それらの極早生性が異なった遺伝的機構に支配されていることが明らかにされている。また、種子外観上好まれる白目ダイズ品種についても同様にSSR分析を行い、品種分類を試みた。その結果、中国由来の白目品種は日本の白目品種と異なることが示された。現在、白目品種に関する有効なコアコレクションを構築するため、系統数を増やして解析を進めている。また、白目品種の開花期の低温ストレス耐性を評価した。北海道で育成された白目品種は開花期の低温により種子の臍周辺に褐色の着色が生じるが、東北や中部地方で栽培されるダイズ品種に低温下でも着色の生じない耐性品種が観察された。それら品種の低温耐性は人工気象機を用いた解析からも裏付けられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Xu, Abe, Gai, Shimamoto: "Diversity of chloroplast DNA SSRs in wild and cultivated soybeans : evidence for multiple origins of cultivated soybean"Theor Appl Genet. 105. 645-653 (2002)
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[Publications] Abe, Xu, Suzuki, Kanazawa, Shirnamoto: "Soybean germplasm pools in Asia revealed by nuclear SSRs"Theor Appl Genet. 106. 445-453 (2002)
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[Publications] Sakai, Kanazawa, Fujii, Thseng, Abe, Shimamoto: "Phylogenetic relationships of the chloroplast genomes in the genus Glycine inferred from four intergenic spacer sequences"Plant Syst. Evol.. (印刷中). (2003)
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[Publications] Abe, Xu, Miyano, Komatsu, Kanazawa, Shimamoto: "Photoperiod-insensitive Japanese soybean landraces differ at two maturity loci"Crop Sci.. (印刷中). (2003)
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[Publications] Hong, Masuda, Nakano, Abe, Uyeda: "Adaptation of cucumber mosaic virus soybean strains (SSVs) to cultivated and wild soybeans"Theor Appl Genet. (印刷中). (2003)