2002 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体によるバイオマス資源の有用ケミカルス及びエネルギー源への化学変換
Project/Area Number |
12460144
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
坂 志朗 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (50205697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮藤 久士 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (00293928)
河本 晴雄 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (80224864)
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Keywords | 超臨海流体 / バイオマス資源 / 有用ケミカルス / エネルギー源 / 化学変換 / 超臨界水 / 超臨界メタノール / バイオマスエネルギー |
Research Abstract |
本研究では、クリーンで再生産可能なバイオマス資源を取り上げ、それらの有効利用および再資源化の技術革新の一つとして、超臨界流体を用いたバイオマスの高速分解による効率的エネルギー化と有用ケミカルスへの化学変換の研究を行ってきた。 木材の主要構成成分であるセルロースを超臨界水処理すると、多糖、オリゴ糖、単糖の混合物が得られることが判明した。また、これらの糖類を希硫酸により加水分解し、さらにアルコール発酵させることでエタノールを効率的に生産できる可能性が示された。木材の処理の場合では、上記のセルロース由来物質の他、リグニン由来物質がメタノール可溶部として回収された。ガスクロマトグラフ質量分析等により、この中には様々なリグニン由来の芳香族化合物が存在することが明らかとなり、有用ケミカルスとして利用できる可能性が示された。 一方、木材の超臨界メタノール処理を検討した結果、350℃/43MPa/30分の処理で90%以上の木材がメタノールに可溶化することなどを明らかにした。また、高速液体クロマトグラフ分析およびレーザイオン化飛行時間型質量分析等により、生成された主要なセルロースおよびリグニン由来物質を明らかにし、有用ケミカルス回収の可能性を示した。さらに、単発定容燃焼装置を用いて、得られたメタノール可溶部のディーゼル燃料としてのポテンシャルを検討した。その結果、メタノール可溶部の着火遅れは、雰囲気温度が1100K以下ではセタン価56の軽油相当燃料であるn-ヘプタンよりも大きいことが判明した。従って、圧縮比が18程度の無過給機関でメタノール可溶部を利用するならばグロープラグ等の着火補助手段が必要との結論を得た。しかしながら、メタノール可溶部では純粋メタノールよりも着火遅れが短縮されることを見出しており、木材からの液体バイオ燃料創製の可能性が示された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Y.Ishikawa, S.Saka: "Chemical conversion of cellulose as treated in supercritical methanol"Cellulose. 8・3. 189-195 (2001)
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[Publications] K.Ehara, S.Saka: "Characterization of the lignin-derived products from wood as treated with supercritical water"J. Wood Sci.. 48・4. 320-325 (2002)
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[Publications] K.Ehara, S.Saka: "A Comparative Study on Chemical Conversion of Cellulose between the batch-type and flow-type systems in supercritical water"Cellulose. 9・3/4. 301-311 (2002)
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[Publications] E.Minami, S.Saka: "Comparison of the Decomposition Behaviors of Hardwood and Softwood in Supercritical Methanol"J. Wood Sci.. 49・1. 73-78 (2003)
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[Publications] E.Minami, H.Kawamoto, S.Saka: "Reaction Behavior of Lignin in Supercritical Methanol as Studied with Lignin Model Compounds"J. Wood Sci.. 49・2. 158-165 (2003)
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[Publications] J.Tsujino, H.Kawamoto, S.Saka: "Reactivity of Lignin in Supercritical Methanol Studied with Some Lignin Model Compounds"Wood Sci. Technol. (in press). (2003)
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[Publications] 坂 志朗(編著者): "バイオマス・エネルギー・環境"アイピーシー出版. 536 (2001)