2001 Fiscal Year Annual Research Report
下垂体細胞・ヒト下垂体腺腫の機能分化の分子機構に関する研究
Project/Area Number |
12470048
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
長村 義之 東海大学, 医学部, 教授 (10100992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 政実 東海大学, 医学部, 講師 (50242508)
竹腰 進 東海大学, 医学部, 講師 (70216878)
吉村 眞一 東海大学, 医学部, 講師 (30230808)
井上 金治 埼玉大学, 理学部, 教授 (50091963)
梶原 博 東海大学, 医学部, 助手 (20317754)
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Keywords | GATA2 / 下垂体細胞 / 下垂体腺腫 / 免疫組織化学 / Pit-1 / ゴナドトロピン / TSH |
Research Abstract |
これまでの、研究により下垂体細胞および腺腫細胞の機能分化は、GH-PRL-TSH、POMC、FSH/LHの3細胞系譜に沿って行なわれることが判明して来ている。昨年度の我々の研究では、新たな転写因子GATA2が下垂体腺腫でも、TSHとLHの分化調節を制御していることを明らかにして来た。今回は、ヒト下垂体腺腫の機能分化の中でこの系譜に沿わないaberrantな複数ホルモン産生への分化の有無を、多くの下垂体腺腫の組織を対象に検討した。下垂体腺腫が、複数ホルモンを産生する場合、多くの場合は系譜内の数種のホルモンであったが、aberrantと考えられる組み合わせは、ACTH-GH,FSH-GH,FSH-ACTHなどACTH,GH,FSHを中心とするものであった。この中で、ACTH産生腺腫でGHを同時に産生する場合の詳細を検討した結果、同一腫瘍内にACTH,GHを認め、更に転写因子NeuroD1がPit-1と共存していた。このことは、aberrantな複数ホルモンの産生はaberrantな転写因子の組み合わせにより惹起されることを示唆するものと考えた。一方、現在入手可能な下垂体培養細胞株Cell lineも、その機能および転写機構は細胞系譜に沿ったものが多い。そこで、このような事実と転写機構の解明を目的として、Cell lineへの転写因子の遺伝子導入を試みた。研究計画書にある手法に従って、下垂体ACTH産生cell lineとして有名なAtT20細胞(NeuroD1陽性、Pit-1陰性,GH産生なし)を対象にGFP-Pit-1遺伝子を導入した。結果として、導入されたAtT20細胞の中で、Pit-1蛋白(GFP)を核内に発現しているものでは、GHmRNAのみならずGH蛋白も発現していた。この結果から、NeuroD1とPit-1を同時に細胞に発現されることにより本来のACTHのみならずGHを同持産生することが明かとなった。この二つの転写因子がどのように共役しているか、また今回はPit-1に制御される他のホルモン(PRL,TSH)が見られなかった理由など更に明らかにして行きたいと考えている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kiyotru KOmatsubara, R Yoshiyuki Osamura, et.al: "Immunohistochemical Analysis of p27(Kip1)in Human Pituitary Glands and in Various Types of Pituitary Adenomas"Endocrine Pathology. 12.2. 181-188 (2001)
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[Publications] Masayuki Sone, R Yoshiyuki Osamura: "Leptin and the Pituitry"Pituitary. 4. 15-23 (2001)
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[Publications] Johbou Itoh, R Yosshiyuki Osamura, et.al.: "Three-Dimensional Imaging of Hormone-Secreting Cells and Their Microvessel Environment in Estrogen-Induced Prolactionoma of the Rat Pituitary Gland by Confocal Laser Scanning Microscopy"Applied Immunohistochemistry & Molecular Morphology. 9.4. 364-370 (2001)
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[Publications] Masayuki Sone, R Yoshiyuki Osamura, et.al.: "Expression and localization of leptin receptor in the normal rat pituitary gland"Cell Tissue Res. 305. 351-356 (2001)
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[Publications] Kenichi Oyama, R Yoshiyuki Osamura, et.al: "Expression of Neuro D1 in Human Normal Pituitaries and Pituitary Adenomas"Modern Pathology. 14.9. 892-899 (2001)
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[Publications] Reiko Kurotani, R Yoshiyuki Osamura, et.al.: "Expression of Interleukein-6,Interleukin-6 Receptor(gp80),and the Receptor7s Signal-Transducing Subunit(gp130)in Human Normal Pituitary Glands and Pituitary Adenomas"Modern Pathology. 14.8. 791-797 (2001)