2000 Fiscal Year Annual Research Report
病原体の危険度を下げた教育用病原微生物株の作成に関する研究
Project/Area Number |
12470062
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
江崎 孝行 岐阜大学, 医学部, 教授 (90151977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉園 久生 岡山大学, 医学部, 教授 (90186487)
飯田 哲也 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (90221746)
牧野 壮一 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (30181621)
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Keywords | 病原細菌 / 病原因子 / 危険度レベル / 教育用菌株 |
Research Abstract |
危険度の高い病原体に関しては国内外で詳細な病原因子の解析が進んでいる。我が国でも国際的に優れた病原性の研究が進行しているが、これらの研究で得られた菌株を系統的に保存する恒久的な機関が我が国には存在しない。病原体の病原因子を脱落させ危険度を落とした菌株を作成し教育、研究に安全に使用するのが本研究の目的で、今年度は2つの活動を行った。 1.一つは分担している病原菌の病原性遺伝子を脱落させ、安全な株を作成すること。 2.二つ目は国内の研究者が所有している菌株情報の収集と菌株の収集。 1)江崎はレベル3の病原体であるチフス菌の侵入因子、分泌蛋白、きょう膜遺伝子を欠落させた菌株を作成した。同じく牧野はレベル3の炭疽菌の病原因子の脱落株を作成した。分担者倉園はレベル2のClostridiumを中心に病原因子の欠落株を収集している。特にボツリヌス菌の遺伝子操作は承認されていないので、毒素遺伝子を保有しない株、あるいは部分的に欠落している変異株を成する実験を行っている。分担者飯田は下痢の病原体であるレベル2のコレラ菌及び腸炎ビブリオの毒素遺伝子の欠損株を作成した。 2)国内の研究者がこれまで作成した株が研究室で埋もれていることから病原因子欠落株を積極的に調査収集することとした。この株は将来レベルダウンを審議すると同時に教育用菌株として日本の研究者が誰もが入手出来るような保存分譲体制を構築する必要が有ることを認識し、その対策を協議した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Licheng Zhao: "Vi Suppressed Wild Strain Salmonella Typhi Cultured"Microbiology Immunol. 45・2. 149-158 (2001)
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[Publications] Licheng Zhao: "Construction of Virulent defective mutants of …"日本微生物資原学会誌. (In.Press). (2001)
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[Publications] 江崎孝行: "病原体の取り抜い及び同定のための手引き"病原細菌研究会. 129 (2001)
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[Publications] 江崎孝行: "日本の微生物分類-この20年"微生物分類研究会. 158 (2000)