2000 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期特異的増殖阻害毒素CDTの作用機序に関する研究
Project/Area Number |
12470064
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
菅井 基行 広島大学, 歯学部, 教授 (10201568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 勝 広島大学, 歯学部, 助手 (80253095)
藤原 環 広島大学, 歯学部, 助手 (90274092)
小松澤 均 広島大学, 歯学部, 助教授 (90253088)
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Keywords | 毒素 / 歯周病 / Actinobacillus actinomycetemcomitans / CDT / 細胞周期 |
Research Abstract |
平成12年度研究計画にそって以下の研究成果を挙げた。 1)CDT活性コンポーネントの精製 Actinobacillus actinomycetemcomitans CDT遺伝子領域は3つの遺伝子cdtA,cdtB,cdtCからなり、これらがタンデムに並んでいる。それぞれの遺伝子のシグナル配列切断部にあわせてアミノ末端にFLAGあるいはHisx6タグをつけて発現させた場合、大腸菌内で発現を確認したが、精製過程で不溶化し、inclusion bodyからの精製を試みたが同様の理由によって精製ができなかった。そこで細胞内移行性シグナルであるTAT配列、haemaglutinドメインを持つ長いタグを持つ発現ベクターpTAT-HAを用いて同様の発現を試みたところ、大腸菌で発現を確認し、低収率ながら精製標品を回収することができた。そこでcdtA,cdtB,cdtC各コンポーネントの再構成実験を行い、CDT活性発現にはCDTA,CDTB,CDTCの3つのコンポーネントが必要であること、それらの比率は2:1:2であることが示唆された。さらに研究の過程でCDTAはシグナル切断されたのちperiplasmあるいは上清中でさらにプロセシングを受け、アミノ末端側が短くなったCDTA'になることを見い出した。そこでcdt領域(cdtA,cdtB,cdtCを含む)のcdtCの下流にHisx6タグをつけたDNA断片を作成し、これを用いた組み換え体を作成した。この組み換え体の培養上清から金属キレートレジンを用いてCDT活性を持ったCDTA,CDTB,CDTC複合体を精製することに成功した。現在、この複合体の組成について検討中である。 2)他の歯周病原菌のcdt遺伝子のクローニング 以下の歯周病原菌株についてcdt遺伝子の存在についてスクリーニングを行った。A.actinomycetemcomitans47株、Porphyromonas gingivalis13株、Prevotella intermedia14株、oral Prevotell species7株、Capnocytophaga species11株、Fusobacterium nucleatum5株、Eikenella corrodens3株、Haemophilus aphrophilus2株、Campylobacter rectus5株。その結果、A.actinomycetemcomitans以外にはcdt遺伝子を見い出すことはできなかった。
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