2002 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス誘導細胞融合とそれに対する宿主制御機構の解析-細胞融合の生物学的意義-
Project/Area Number |
12470069
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊藤 康彦 三重大学, 医学部, 教授 (00022872)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 真智子 三重大学, 医学部, 助手 (70156040)
河野 光雄 三重大学, 医学部, 教授 (00234097)
鶴留 雅人 三重大学, 医学部, 助教授 (50159042)
|
Keywords | パラミクソウイルス / FRP-1 / CD98 / 遺伝改変動物 / LAT-1 / ADAM |
Research Abstract |
ウイルスよる細胞融合誘導はウイルス側因子と宿主細胞側因子との相互作用によって制御されている。ウイルス侵入機構、膜融合及び多核巨細胞形成に関与するウイルス側因子と宿主細胞側因子を解析する。細胞融合に関与する因子としては、ウイルス誘導細胞融合の制御因子、Fusion Regulatory Factor-1(FRP-1)が重要である事を証明した。 FRP-1のlight chainのN末端半分と高いホモロジーを有する蛋白(N-light chain): FRP-1のlight chainのN末端側と高いホモロジーを有する蛋白を3つ同定し、その発現様式を解析した。その3つの転写産物は染色体16P12と一致した。それは180及び190のアミノ酸をコードし、hLAT1のN末端側と92-94%のホモロジーを示した。しかしながら、3'non-coding領域はhLAT1と有為なホモロジーを示さなかった。それらの遺伝子は染色体16p11.2-p13.1に複数コピーとしてマッピングされた。それらの遺伝子の末梢単核球における転写はレクチン刺激によって亢進した。FRP-1媒介性細胞融合制御におけるCD147分子の関与:ウイルス感染細胞における細胞融合はFRP-1/CD98系によって制御を受けている。この反応には種々の分子が関与している。本年の研究により、新たにCD147分子がFRP-1媒介性細胞融合の調節因子の一つであることが明らかになった。a.血液単球,U937細胞やJurkat細胞にCD147分子は発現していた。b.使用した3つの抗CD147抗体(Ab-1,-2,-3)はU937細胞におけるFRP-1媒介性細胞凝集には影響を与えなかった。c.抗CD147抗体(Ab-1)はU937細胞におけるFRP-1媒介性細胞融合を阻害し、Ab-2は亢進した。d.Ab-1はその抑制効果を示すために、FRP-1刺激後の比較的早い時期に、作用させる必要があった。一方、Ab-2は、FRP-1刺激8時欄後に作用させても、刺激効果を発揮した。e.Ab-2とAb-3はJ2ME細胞におけるFRP-1非依存性細胞凝集と細胞融合を阻害する。f.Ab-2はJ2ME細胞におけるFRP-1媒介性細胞融合を阻害し、抑制性抗FRP-1抗体の作用を阻害した。g.Ab-2は血液単球におけるFRP-1媒介性細胞融合を阻害した。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] N.Miyamoto, Y.Ito, at al.: "Human Osteosarcoma-Derived Cell Lines Produce Soluble Factor(s) That Induces Differentiation of Blood Monocytes to Osteoclast-Like Cells"International. Immunophamacology. 2. 25-38 (2002)
-
[Publications] M.Ito, Y.Ito, et al.: "Up-regulated expression of a novel gene in activated human peripheral blood mononuclear cells that is a truncated paralog of the human system L-amino aid transporter 1"The International J. Biochem. & Cell Biol.. 34. 1152-1163 (2002)
-
[Publications] T.Nakamura, Y.Ito, et al.: "Recombinant Vpr (rVpr) causes augmentation of HIV-1 p24 Ag level in U1 cells through its ability to induce the secretion of TNF"Virus Research. 90. 263-268 (2002)
-
[Publications] K.Mori, Y.Ito, et al.: "The functional interaction between CD98 and CD147 in regulation of virus-induced cell fusion and osteoclast formation"Medical Microbiology and Immunology. (in press).