2001 Fiscal Year Annual Research Report
大都市衰退化現象に伴って出現する健康リスク集積ポピュレーションの疾病状況
Project/Area Number |
12470093
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高野 健人 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80126234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 雅史 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90280974)
福田 吉治 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60252029)
中村 桂子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00211433)
嘉 夫 日本学術振興会, 特別研究員
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Keywords | 公衆衛生 / 都市保健 / 健康都市 / ホームレス / 結核 / 児童虐待 / 都市政策 / 住環境 |
Research Abstract |
1.総合的な観点から、都市における保健医療資源、居住条件、都市環境、都市基盤、教育水準、雇用の状態、地域経済などの諸要因が、住民の健康水準にとどのような関係にあるかを示すモデルを構築した。モデルの海外大都市での妥当性の検討のため、上海市の公表データを用い、年齢調整死亡率と都市の物理環境的・社会経済的要因との関連性を検証した。 2.東京都内の結核病棟の入院患者のうち、住所不定の患者約150名を対象に、現病歴、入院回数、薬剤耐性の有無、職歴、等を調査し、住所不定の結核患者の予後の悪いこと、治療抵抗性であることを明らかにした。 3.東京圏のひとつの2次医療圏を対象に、本研究により構築した地域保健医療ニーズGISにより、木賃住宅が集積する地域を同定し、高齢者の生活条件要因を分析し、木賃地帯高齢者のリスク分析を定量的に明らかにした。 4.東京圏を調査対象地として、複数の事例検討から、児童虐待の現状とその要因を明らかにする調査方法を検討した。複数の調査対象を想定した調査項目を選定し、三歳児のいる一般世帯を対象とした調査で用いる調査票を作成した。 5.静岡の地方都市と東京都を対象として、ストレスと食生活ならびに生活習慣病との関連の大都市部と地方市における比較調査を実施した。また、東京都の約700名の中年男性を対象にした訪問調査により、日常的な出来事やストレスが生活習慣や健康状態に与える影響について分析を行った。さらに、食生活改善のための行動変容、健康情報の収集能力の向上について、地域の参加型健康教育プログラムの評価を行った。 6.東京圏のひとつの2次医療圏を対象に、小地域単位ごとの健康事象、社会経済的・物理的環境条件、都市基盤の地理情報データを総合的に解析する保健医療GISを構築した。さらに、大都市域における相対的な健康水準と資源再配分の関係、都市住民の健康を規定する社会経済的要因を明らかにし、社会経済・環境要因を含めた都市域における重点的な健康政策の必要性を示した。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] Takano T, Fu J, Nakamura K, Uji K, Fukuda Y, Watanabe M, Nakajima H: "Age-adjusted mortality and its association to variations in urban conditions in Shanghai"Health Policy. (in press). (2002)
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[Publications] Fukuda Y, Nakamura K, Takano T: "A Combination of an Extrapolation Method and a Benchmark Method to Develop Quantitative Health Targets for Japan"Health Policy. (in press). (2002)
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[Publications] Takano T, Nakamura K: "The national financial adjustment policy and the equalization of health levels among prefectures"Journal of Epidemiology and Community Health. 55(10). 748-754 (2001)
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[Publications] Takano T, Nakamura K: "An analysis of health levels and various indicators of urban environments for Healthy Cities projects"Journal of Epidemiology and Community Health. 55(4). 263-270 (2001)
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[Publications] Yajima S, Takano T, Nakamura K: "Effectiveness of a community-leaders program to promote healthy lifestyles in Tokyo"Health Promotion International. 16(3). 235-243 (2001)
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[Publications] 金子善博, 高野健人, 中村桂子: "小規模事業所の保健ニーズの地理的偏在"日本衛生学雑誌. 57(1). 317 (2002)
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[Publications] 金子善博, 高野健人, 中村桂子: "最近隣度による地域保健ニーズの地理的分布の数値的評価"日本公衆衛生雑誌. 48(11). 429 (2001)
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[Publications] 金子善博, 高野健人, 中村桂子, 福田吉治, 渡辺雅史, 他: "保健ニーズの地理的評価 高齢者の健康を支援する都市環境条件"日本衛生学雑誌. 56(1). 222 (2001)
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[Publications] 福田吉治, 中村桂子, 渡辺雅史, 高野健人, 他: "死亡率の都道府県格差および都道府県内格差の時系列分析"日本公衆衛生雑誌. 47(11). 183 (2000)
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[Publications] 金子善博, 高野健人, 中村桂子, 福田吉治, 渡辺雅史, 他: "地理情報システムによる地域保健医療ニーズの解析手法"日本公衆衛生雑誌. 47(11). 328 (2000)
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[Publications] 福田吉治, 中村桂子, 渡辺雅史, 高野健人, 他: "ごみ焼却場と住民の健康水準"日本衛生学雑誌. 55(1). 414 (2000)
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[Publications] 金子善博, 高野健人, 中村桂子, 渡辺雅史, 福田吉治, 他: "高齢者受療率の小地域格差とその関連要因"日本衛生学雑誌. 55(1). 339 (2000)
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[Publications] Takano T: "Healthy Cities and Urban Policy Research"Routledge(in press). (2002)