2002 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣と遺伝子との交互作用の脳卒中発症に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
12470094
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
田中 平三 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 理事長 (70047215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊達 ちぐさ 武庫川女子大学, 生活環境学部・食物栄養学科公衆衛生学研究室, 教授 (60047389)
吉池 信男 独立行政法人国立健康・栄養調査部, 部長 (80240232)
横山 徹爾 国立保健医療科学院, 技術評価部, 主任研究官 (70282770)
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Keywords | 血圧 / 横断研究 / ライフスタイル / 遺伝子 / 身体活動 / アルコール |
Research Abstract |
兵庫県北西部に位置するS郡と新潟県S市の40〜69歳の全住民から、性別・年齢階級によって層化無作為抽出を行い、そのうち男性403人、女性468人が本研究に参加した。書面によるインフォームドコンセントを得た後に、採血及び問診(喫煙、飲酒、身体活動習慣)行った。本年度は、血球からDNAを抽出することができなかった者を除外した男性372名、女性460名を解析対象として、白血球よりDNAを抽出し、PCR法によりNOS3多型を分析した。また、兵庫県S郡の男性335名を対象にして、ADH2、ALDH2の遺伝子多型を分析した。 NOS3 intron4のaアレルをもつ人(aa+ba)においては、収縮期血圧と身体活動量の間に負の関係があった(linear trendのP値=0.0496、相互作用のP値=0.0071)。この遺伝子変異は、身体活動の低い人においてのみ、収縮期高血圧と有意に関係があった(オッズ比=2.4、95%CI;1.1〜5.6、相互作用のP値=0.0474)。この結果より、運動が高血圧に対して予防的に働く場合の遺伝的背景の関与が示唆された。一方、アルコールの消費量と拡張期血圧との関連を、多重線形回帰モデルにより検討すると、ADH2^1/2^2または2^2/2^2の人よりもADH2^1/2^1の人の方が両者の関連は有意に強かった(調整した回帰係数=0.0392vs0.0113mmHg/1gエタノール/週、傾きの違いのP値=0.018)。しかし、アルコールと血圧の関係は、ALDH2の全ての遺伝子グループ間で同じであった。このように飲酒と血圧との関連にも、遺伝的背景が関与することが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T Kimura, T Yokoyama, Y Matsumura, N Yoshiike, C Date, M Muramatsu, H Tanaka: "NOS3 Genotype-Dependent Correlation Between Blood Pressure and Physical Activity"Hypertension. 41(2). 355-360 (2003)
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[Publications] K Saito, T Yokoyama, N Yoshiike, C Date, A Yamamoto, M Muramatsu, H Tanaka: "Do the ethanol metabolizing enzymes modify the relationship between alcohol consumption and blood pressure?"Journal of Hypertension. (印刷中).
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[Publications] Tanaka H, Iso H, Yokoyama T, Yoshiike N, Kokubo Y: "The practice of public health -Cerebrovascular disease, In Oxford Textbook of Public Health 4th Ed"Oxford University Press. 1193-1226 (2002)