2000 Fiscal Year Annual Research Report
微生物抗原特異的な細胞性免疫能の測定と感染症の病態解析および診断への応用
Project/Area Number |
12470112
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 哲也 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30189047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鯉渕 智彦 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (50313094)
高橋 孝 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00292855)
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Keywords | 感染症 / サイトメガロウイルス / 非定型抗酸菌 / 結核菌 / ヘルパーTリンパ球 / キラーTリンパ球 |
Research Abstract |
1.免疫不全患者における日和見感染症の発症機序 HIV感染者を対象に、サイトメガロウイルス、非定型抗酸菌に対する特異的ヘルパー、キラーTリンパ球数を測定し、臨床経過との関係の解析を試みた。HIV感染者末梢血中のサイトメガロウイルス特異的ヘルパー、キラーTリンパ球数は、健常者のそれより有意に多く、最高でそれぞれ5.5x10^5cells/ml、5.6x10^5cells/mlに達した。抗HIV療法の開始前後では、その数に変化は見られなかった。今後、これらの患者の経過を観察し、特異的Tリンパ球数とサイトメガロウイルス感染症の間に相関があるか否か検討を加える。非定型抗酸菌に関しては、非定型抗酸菌由来のPPDを抗原として特異的Tリンパ球の解析を行ったが、結核菌由来のPPDに対する特異的Tリンパ球が交差反応を示すため、その測定は技術的に困難であった。 2.ツベルクリン反応とPPD特異的Tリンパ球数との相関 健常者数名の末梢血中PPD特異的ヘルパー、キラーTリンパ球数の測定を行った。特異的キラーTリンパ球は検出困難であったが、特異的ヘルパーTリンパ球はCD4陽性Tリンパ球中の0.1〜0.5%存在した。しかしながら、特異的ヘルパーTリンパ球の頻度とツベルクリン反応の陽性度には相関は認められず、両者が結核菌に対する異なる細胞性免疫能を反映しているものと考えられた。今後、健常者の症例数を増やすと共に、活動性結核患者の末梢血を用いた解析を行い、結核免疫の機構について解析を行う計画である。
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Research Products
(1 results)