2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストンアセチル化と転写因子活性化を介した短鎖脂肪酸による腸上皮細胞機能の制御
Project/Area Number |
12470121
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
馬場 忠雄 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (40079819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 朗 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90252395)
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Keywords | ヒストン アセチル化 / 短鎖脂肪酸 / 酪酸 / ケモカイン |
Research Abstract |
短鎖脂肪酸、特に酪酸による腸管上皮細胞機能の修飾に関与する分子機構を明らかにするために、本年(平成12年度)は、種々の炎症刺激により腸管上皮に誘導される反応に対する酪酸の効果を検討した。すなわち、IL-1βやTNF-αを腸管上皮細胞HT-29に添加し、誘導されてくるIL-8、MCP-1、RANTESなどのケモカインの産生に対する酪酸の効果を検討した。酪酸は、IL-1βやTNF-αにより誘導されるケモカインの産生を強力に抑制した。また、その効果発現は転写因子NF-κBの活性化の抑制を介するものであった。そので、ヒトIL-8のプロモーター領域をcloningしてルシフェラーゼvectorに挿入し、そのIL-8プロモーター活性にたいする効果を検討した。酪酸は、IL-1βやTNF-αにより誘導されるIL-8のプロモーター活性を強力に抑制していた。特に、この活性は、NF-κBの結合部位のdeletionにより失われることから、これらは酪酸はNF-κBの活性化を抑制し、これらがIL-8プロモーターの活性化の抑制を誘導し、transcriptionレベルでの効果を発現していることが明らかになった。これらの効果について、酪酸によるヒストン蛋白のアセチル化の関与の可能性について、今後、ヒストン脱アセチル化酵素の阻害により強力にヒストン蛋白のアセチル化を誘導するトリコスタチンAを用いて同様の検討を加える予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Akira Andoh: "Medium- and long-chain fatty acids differentially modulate interleukin-8 secretion in human fetal intestinal cells."Journal of Nutrition. 130. 2636-2640 (2000)
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[Publications] Akira Andoh: "Cytokine regulation of chemokine (IL-8, MCP-1, and RANTES) gene expression in human pancreatic periacinar myofibrosis."Gastroenterology. 119. 211-219 (2000)
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[Publications] Yoshio Araki: "Development of dextran sulphate sodium-induced experimental colitis is suppressed in genetically mast cell-deficient Ws/Ws rats"Clinical and Experimental Immunology. 118. 23-29 (1999)