2001 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子BETA2によるセクレチン分泌細胞の分化と細胞周期
Project/Area Number |
12470126
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Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
武藤 弘行 自治医科大学, 医学部, 講師 (50322392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 貴一 自治医科大学, 医学部, 講師 (50275707)
菅野 健太郎 自治医科大学, 医学部, 教授 (60179116)
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Keywords | 消化管ホルモン / セクレチン / 分化 / 増殖 / 転写因子 / 細胞周期 / サイクリン / サイクリン依存性キナーゼ |
Research Abstract |
消化管ホルモンであるセクレチンを分泌する細胞は分化した増殖能を持たない絨毛においてのみセクレチンを発現している。このことは、細胞の増殖を正に制御する蛋白質がセクレチン遺伝子の転写を抑制することが考えられた。そこで、細胞周期のG1期に関与するcyclin D1のセクレチン遺伝子の転写に関する影響を検討したところ、cyclin D1はセクレチン遺伝子の転写を抑制することがLuciferase reporter assayにより確認された。しかし、cyclin D1のパートナーであるCyclin Dependent Kinase(Cdk4とCdk6)はセクレチン遺伝子の転写活性化に関与しなかった。 また、Cdk4/6の結合領域を欠損させたcyclin D1であるD1-KEを用いて、Cdk4/6がセクレチンの転写に関与するか否かを検討したところ、D1-KEはCyclin D1と同様にセクレチン遺伝子のプロモーター活性を抑制した。以上よりセクレチン遺伝子の転写はCdkとは独立してCyclin D1そのものによって抑制されることが示された。また、cyclin D2、D3および他のG1 cyclinであるcyclin Eはセクレチン転写活性能に影響しなかった。次にcyclin D1のセクレチン遺伝子の転写抑制が、cyclin D1と、セクレチン遺伝子の転写活性化に関与する転写因子BETA2や転写coactivator p300との結合によるものか否かを検討した。in vivoにおいてBETA2とCyclin D1は結合したが直接の結合ではなく、転写coactivator p300を介していた。Cyclin D1はp300のC terminalに結合した。この結合部位はBETA2のp300への結合部位よりC terminal寄りであった。
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Research Products
(1 results)