2000 Fiscal Year Annual Research Report
EGF様構造とfollistatin様構造から成る新規蛋白質の消化管における役割
Project/Area Number |
12470130
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
坂本 長逸 日本医科大学, 医学部, 教授 (30196092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤盛 孝博 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30095385)
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Keywords | EGF / follistatin / 胃線維芽細胞 / 大腸癌 / fomokegulin / erbB2 / erbB4 |
Research Abstract |
(1)TRのerbBリン酸化作用の解析 既に私達は(1)tomoregulin(TR)が消化管粘膜内、粘膜固有層線維芽細胞に局在して発現すること、(2)sf9細胞に局発現させたTRを精製し、精製TRがMKN28胃癌細胞株、erbB4発現CHO細胞株でerbB4のリン酸化を刺激するが、EGF受容体、erbB2、erbB3のリン酸化は刺激しないことを示している。しかしerbB4リン酸化能は全長TRでは極めて弱いため、今回はEGFドメインcDNAをsf9細胞に導入し、培養上胃からEGFドメインの精製を試みたが、現在のところまだ充分な精製に成功していない。COS7細胞への導入とその上清の生物学的作用の解析についても現在検討中である。 (2)TRのMKN-1胃癌細胞増殖抑制作用の解析 erbB4リン酸化が観察されないMKN-1胃癌細胞株では、TR刺激によりDNA合成及び細胞増殖が抑制される。(1)TRcDNAをMKN-1胃癌細胞株に導入し、TR高発現MKN-1細胞株を確立する、(2)follistatinドメインcDNAをsf9細胞に導入し、follistatinドメインを精製する、(3)全長TR及びfollistatinドメインのアポトーシスに対する作用を解析する。以上の3点について現在検討しているが充分な結果は得られていない。 (3)TRの消化器癌における発現の解析 現在まで得られている癌組織標本での検討では、TRの大腸癌、胃癌細胞での発現は認められていない。正常消化管組織の線維芽細胞での発現が観察される。大腸癌組織におけるTR遺伝子のメチル化とTR発現抑制について癌細胞を用いて検討中である。
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