2000 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌細胞の化学療法剤耐性形質獲得過程におけるp73アポトーシス経路の関与
Project/Area Number |
12470133
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
萩原 弘一 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (00240705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田澤 立之 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (70301041)
西條 康夫 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10270828)
貫和 敏博 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40129036)
鳴海 晃 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (30302219)
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Keywords | 肺癌細胞 / p73 / アポトーシス / p53 / 変異遺伝子 / p21 / 化学療法 / 誘導遺伝子 |
Research Abstract |
本科学研究費補助金を用いて,現在までに行った研究の結果をここに報告する. (1)肺癌におけるp73変異遺伝子のクローニング,およびその機能解析 肺癌において認められたp73変異遺伝子を,p73変異を持った3種類の細胞株よりクローニングした.現在までに,細胞株を含めて,自然界に認められるp73変異の数はごく少なく,したがってp73の正常機能解析に使用できるp73変異は2-3種類に限られていた.これらの,クローニングしたp73変異遺伝子の機能解析を,p21WAF1,BAXなどのreporter plasmidを使用して行っている.機能解析が終了し次第,これらの貴重な変異遺伝子に関して,論文を作成,提出する予定である. (2)肺癌細胞株を使用した,p73誘導遺伝子の検討 p73はp53とは独立した,アポトーシス経路を形成していることが報告されている.p73が直接働き掛ける遺伝子のうち,p21などはp53と共通しているが,p73が特異的に働く遺伝子に関しては,全く明らかになっていない.それを解析するためには,p53の影響のない細胞株で,さらにp73が変異を起こしている細胞株が必要である.これは,p73とp53のダブルノックアウトマウスで可能であるが,そのようなマウスの作成は,我々の持っている材料では困難である.しかし,われわれが現在検討中の肺癌細胞株は,p73とp53の両方に異常を持っており,この解析が可能と思われる.われわれは,これらの細胞株に一時的発現によりp73を発現させる手法を確立した.現在その細胞を使用して,p73の下流遺伝子の検索が進行中である.
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