2002 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症の分子病態解明と治療法開発の総合的研究
Project/Area Number |
12470141
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
阿部 康二 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20212540)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 功 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (80335603)
東海林 幹夫 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60171021)
|
Keywords | ALS / SOD / トランスジェニックマウス / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロンの選択的細胞死を惹起して筋萎縮をもたらす進行性難治性筋疾患である。平成14年度は、前年度までの研究をさらに発展させて、変異Cu/ZnSOD遺伝子を導入したトランスジェニックマウスモデルを用いて、運動ニューロン障害と軸索輸送異常の関連について、逆行性axonal transportの異常をアデノウイルスを用いた研究により明らかにした。またアポトーシスの観点からの運動ニューロンの生と死のシグナルアンバランスの問題については、本モデルにおいて早期からPI3KやAkt1,Bcl2といった生存シグナルの低下が見られることを見い出した。 一方、以上のような分子病態解明の研究と並行して、新しい治療法のin vivoモデルでの開発も同時進行で行い、微量注入ポンプを用いてモデルマウスの脊髄腔内に神経栄養因子IGF-1を直接持続注入する治療法を確立し、その治療効果を検討し治療有効性を確認した。さらに脊髄標本と筋肉標本を作成し、運動ニューロン細胞数や筋線維変性程度を判定し、病理学的にも治療効果を判定したところ、明らかな運動ニューロン数減少抑制効果が認められた。またヒト臨床において患者の同意を得て始めた微量注入ポンプの皮下埋込みによる脊髄腔内への神経栄養因子持続注入療法の開発応用も当初予定数が終了し、現在治療効果について判定している。 このように当初目標とした実験動物レベルとヒト臨床の両レベルでの総合的治療法開発の本研究計画は目標どおり達成された。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Manabe et al.: "Early decrease of the immunophilin FKBP52 in the spinal cord of a transgenic model for ALS"Brain Research. 935. 124-128 (2002)
-
[Publications] Manabe et al.: "Adenovirus-mediated gene transfer of GDNF prevents motor neuron loss of transgenic model mice for ALS"Apoptosis. 7. 329-334 (2002)
-
[Publications] Zhang et al.: "Therapeutic time window of adenovirus-mediated GDNF gene transfer after transient MCAO in rat"Brain Research. 947. 140-145 (2002)
-
[Publications] Ilieva et al.: "Changes in SOD1 protein localization towards mitochondria : an immunohistochemical study in transgenic G93A mice"Neurosci.Lett.. 332. 317-322 (2002)
-
[Publications] Ohta et al.: "Dissociative increase of oligodendrocyte progenitor cells between young and aged rats after transient cerebral ischemia"Neurosci.Lett.. 335. 159-162 (2002)