2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12470143
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
清水 輝夫 帝京大学, 医学部, 教授 (00107666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 史明 帝京大学, 医学部, 助手 (40286993)
松村 喜一郎 帝京大学, 医学部, 助教授 (50260922)
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Keywords | 信号伝達 / 筋ジストロフィー / アポトーシス / dystrophin / dystroglycan / caveolin-3 |
Research Abstract |
目的:dystroglycan(DG)複合体は様々な細胞の表面膜に発現し発生の初期には基底膜形成の中核となりその後は基底膜と細胞内骨格をつなぎとめる強固な架橋構造として維持される.これを別の角度から見ると生理的状態としての細胞の発生・分化,ならびに病的状態としての癌細胞フ転移・侵潤などの過程にはこの架橋構造を特異的にしかも効率良く破壊するメカニズムが存在するはずである.このようなメカニズムとして我々はβDGの細胞外ドメインを特異的に分解するmatrix metalloproteinase(MMP)活性を報告した.さてsarcoglycan欠損症ではDG複合体が崩壊しαDGとβDGが分離していることが報告されている.本研究では前記のMMPがこの現象に関与している可能性を検討した. 方法:sarcoglycan欠損症のモデル動物である心筋症ハムスターの各種臓器を生化学的に解析した. 結果:(1)MMPによるβDG細胞外ドメインの分解は心筋症ハムスターの骨格筋,心筋,平滑筋で特異的に亢進していた.(2)MMPによるβDG細胞外ドメインの分解によって心筋症ハムスター筋ではDG複合体を介する細胞内外の架橋が破綻していた. 考察と結論:sarcoglycan欠損症ではDG複合体が崩壊しαDGとβDGが分離していることが報告されており,我々はこれが本症における筋細胞死に重要な役割を果たしていると推定している.今回の結果はβDGの細胞外ドメインを分解するMMPがこの現象に関与していることを示唆した.なおsarcoglycan欠損症の患者筋でも同様の所見が存在するかは現在解析中である.今後sarcoglycan欠損症フ治療法としてこのMMP活性を阻害する薬剤の有用性を追求して行きたい.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sunada Y et al.: "Deficiency of a 180-kDa extracellular matrix protein in Fukuyama type congenital muscular dystrophy skeletal muscle"Neuromuscular Disorders. 12. 117-120 (2002)
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[Publications] Masaki T et al.: "Expression of dystroglycan and the laminin-α2 chain in the rat peripheral nerve during development"Experimental Neurology. 174. 109-117 (2002)
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[Publications] Hase A et al.: "Characterization of parkin in bovine peripheral nerve"Brain Research. 930. 143-149 (2002)