2000 Fiscal Year Annual Research Report
スパイラルリエントリーの成立機構とその制御-高速ビデオカメラシステムによる光学計
Project/Area Number |
12470150
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
児玉 逸雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30124720)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 一郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科環境学専攻, 助教授 (50178597)
本荘 晴朗 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (70262912)
|
Keywords | スパイラルリエントリー / 心室頻拍 / 光学マッピング / 高速度ビデオカメラ / イオンチャネル / 不整脈薬物治療 / 活動電位 / 電位感受性色素 |
Research Abstract |
我々は、致死性不整脈である多形性心室頻拍(PVT)や心室細動(VF)の発生に重要な役割を果たすスパイラルリエントリーのダイナミクスを解析することが可能な光学計測システムの開発を行ってきた。今年度の研究では、コンピュータに画像データをデジタル転送することが可能な高速ビデオカメラ(Fastcam Ultima 40K,Photoron)を用いて、新たな心筋活動電位光シグナルマッピングシステムを構築した。このシステムでは、青緑色高輝度発光ダイオード(LED)を励起光源に用いて、電位感受性色素(di-4-ANEPPS)の二次元蛍光画像を、時間分解能約1ms、空間分解能約0.1mmの解像度で約4秒間連続記録することが可能であった。背景光の時間的減衰率も少なく、長時間にわたり安定して記録することができた。ウサギ摘出灌流心臓を用いた実験では、直流通電により誘発されるPVT/VFの発生中に、心室表面を旋回するスパイラル興奮波を明瞭に捉えることができ、興奮波の旋回に伴うスパイラルtipの移動(meanderingやdrift)についても解析が可能であった。また、従来の高速ビデオカメラシステムと組み合わせて心臓の2方向からの同時撮影を行うことにより、心表面のより広範囲にわたるスパイラル興奮波のダイナミクスを解析することも可能であった。本システムはPVT/PVなど致死性不整脈の発生機構の解明や薬物作用の解析に有用であると考えられる。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] KODAMA Itsuo: "Regional differences in arrhythmogenic aftereffects of high intensity DC stimulation in the ventricle"Pacing and Clinical Electrophysiology. 23. 807-817 (2000)
-
[Publications] KODAMA Itsuo: "Arrhythmogenic changes in action potential configuration in the ventricle induced by DC shocks"Journal of Electrocadiology. 32. 92-99 (2000)
-
[Publications] YAMAMOTO Mitsuru: "Analysis of epicardial activation patterns during DC-shock induced ventricular tachycardia"Environmental Medicine. 44. 32-34 (2000)
-
[Publications] 三嶋晶: "高速デジタルビデオカメラレコーダ(DVCR)と光ファイバーモジュールを組み合わせた心臓興奮光学マッピングシステム"Japanese Circulation Journal. 64(SI). 691 (2000)
-
[Publications] 荒船龍彦: "高速度DVCRを用いた心筋活動電位マッピング"医用電子と生体工学. 38. 195 (2000)
-
[Publications] 山本充: "心筋活動電位光シグナル多点同時計測による多形性心室頻拍の解析"不整脈. 16. 263 (2000)