2001 Fiscal Year Annual Research Report
表皮水疱症-筋ジストロフィー症候群(プレクチン欠損症)の病態生理学的解析
Project/Area Number |
12470175
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
清水 宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00146672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 真志 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (60222551)
松村 哲理 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80301878)
天谷 雅行 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (90212563)
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Keywords | プレクチン / ヘミデスモゾーム / 表皮水疱症 / 筋ジストロフィー / 基底膜 / VII型コラーゲン / ラミニン5 / 表皮 |
Research Abstract |
表皮水疱症-筋ジストロフィー症候群(epidermolysis bullosa - muscular dystrophy syndrome: EB-MD症候群)は,プレクチンの欠損により発症する先天性遺伝性疾患である。 本研究では、EB-MD症候群の自験4家系、ならびに諸外国より情報提供のあった6家系を検索の主な対象とした。患者並びに家族から抽出したgenomic DNAを鋳型としてPCRにてプレクチン遺伝子のすべてのexonならびにexon-intron境界部分を増幅した。Heteroduplex法により,遺伝子変異を含んでいるexonを推定し,その部分のgenomic-DNA塩基配列をシーケンサーにて解析し、遺伝子変異を確認した。またプレクチン遺伝子のうち巨大なexon32,33領域に遺伝子変位が存在した場合,上記の通常のPCR,heteroduplex,direct sequencingでは変異を確実に同定することは困難であったため、protein truncation testを用いて、プレクチン遺伝子変異を同定した。また生検組織について,免疫組織化学,蛍光抗体法,透過電顕に加えて,凍結固定・凍結置換法を用いた超低温免疫電顕法を用いて検討した。特に,表皮細胞ではヘミデスモゾームだけではなく,デスモゾームでの分布にも着目して観察を行った。 その結果、プレクチンの両alleleに早期停止コドンを有するプレクチン完全欠損患者の皮膚では、ヘミデスモゾームの接着板の低形成、ヘミデスモゾームの数の減少が確認された。しかし、その他のヘミデスモゾームを構成する他の蛋白(BPAG1,BPAG2,α6β4インテグリン),さらにラミニン5,VII型コラーゲン等の発現状態には明らかな異常は見い出されなかった。また、ホモのin-frame deletion変異により,不完全なプレクチンが産生されていることが確認された家系では、ヘミデスモゾームの異常の程度が軽く、筋ジストロフィーも含めた臨床重症度の程度も軽かった。このような変化は培養細胞レベルでも確認され、本症の遺伝型・表現型の相関関係のみならず、本症の病態生理も明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ishiko A., et al.: "A novel leucine to valine mutation in residue 7 of the helix initiation motif of keratin 10 leads to bullous congenital ichthyosiform erythroderma"J Invest Dermatol. 116. 991-992 (2001)
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[Publications] Yasukawa K., et al.: "Kikuchi's disease and the skin : case report and review of the literature"Br J Dermatol. 144. 885-889 (2001)
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[Publications] Shimizu T., et al.: "High macrophage migration inhibitory factor (MIF) serum levels associated with extended psoriasis"J Invest Dermatol. 116. 989-990 (2001)
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[Publications] Akiyama M., et al.: "Compound heterozygous TGM1 mutations including a novel missense mutation L204Q in a mild form of lamellar ichthyosis"J Invest Dermatol. 116. 992-995 (2001)
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[Publications] Akiyama M., et al.: "Novel mutations of TGM1 in a child with congenital ichthyosiform erythroderma"Br J Dermatol. 144. 401-407 (2001)