2000 Fiscal Year Annual Research Report
先天性皮膚色素異常症における巨大色素顆粒形成の分子生物学的解明
Project/Area Number |
12470179
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
神保 孝一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30094238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南辻 泰志 札幌医科大学, 医学部, 助手 (00305236)
大森 房之 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00315524)
山下 利春 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50167706)
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Keywords | メラニン生合成 / 分子シャペロン / 小胞輸送 / チロジナーゼ |
Research Abstract |
今年度はメラニン形成に重要なチロジナーゼとTRP-1、及びlamp1(リソソーム膜関連蛋白)の細胞内小胞輸送及び標的シグナルに焦点を絞り、研究を行った。これにより将来的には得られた所見が先天性皮膚色素異常症における巨大色素顆粒形成にどのような影響を及ぼすかを解明するに際しての基礎的データを得る事ができる事を期待している。結果として、(1)チロジナーゼ、及びTRP-1の小胞内輸送における分子シャペロン、カルネキシンの蛋白高次形成における役割について解明できた。(2)ゴルジー体からメラノソームへの蛋白小胞輸送においては早期、後期エンドソームを介し、その後初めてメラノソームへと移動することが分かった。(3)この過程においてrabなら7が重要な役割をし、rab7の変異体を用いた実験にて早期エンドソーム介し、その後、後期エンドソームへとチロシナーゼ及びTRP-1が輸送されることが分かった。従来、ゴルジー体(TGN)からメラノソームへの小胞輸送機構が明らかではなかったが、今回の実験においてはカルネキシンとrab7の機能を遺伝子導入法にて明確に定義することができた。 更に、巨大色素顆粒形成にはリソソームの影響が重要と考えられるが、我々はリソソームとメラノソームとに共発現する新しい細胞内小器官マーカーを認識する単クローン抗体を作成することができた。現在、この新しいマーカーの生物学的意義を解析中であるが、これは早期・後期エンドソームには発現されず、しかも、リソソームの顆粒内膜に発現することが示唆されている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoneta A,Yamashita T,Jin H-Y,Iwasaki A,Kondo A,Jimbow K: "Development of squamous cell carcinoma by two high-risk human papillomaviruses (HPVa), a novel HPV-67 and HPV-31 from bowenoid papulosis"British Journal of Dermatology. 143. 604-608 (2000)
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[Publications] Jimbow K,Park JS,Kato F,Hirosaki K,Toyofuku K,Hua C,Yamashita T: "Assembly, target signal and intracellular transport of tyrosinase gene family protein in the initial stage of melanosome biogenesis"Pigment Cell Research. 13. 222-229 (2000)
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[Publications] Jimbow K, et al.: "Intracellular vesicular trafficking of tyrosinase gene family protein in eu^- and pheomelanosome biogenesis"Pigment Cell Research. 13(Suppl.8). 110-117 (2000)
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[Publications] 神保孝一: "悪性黒色腫:メラニン代謝と標的化学療法の確立"組織培養工学. 26(10). 393-397 (2000)
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[Publications] 神保孝一: "色素細胞の生物学"日皮会誌. 110(12). 1940-1944 (2000)
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[Publications] Gili A,Thomas PD,Ota M,Jimbow K: "Comparison of in vitro cytotoxicity of N-acetyl and N-propionyl derivatives for phenolic thioether amines in melanoma and neuroblastoma...."Melanoma Research. 10(1). 9-15 (2000)