2000 Fiscal Year Annual Research Report
色素細胞と悪性黒色腫の遺伝子発現のSAGE法による解析と基礎・臨床医学への応用
Project/Area Number |
12470180
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 ゆり子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40255435)
桜井 敏晴 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20101933)
藤田 知信 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20199334)
島田 眞路 山梨医科大学, 教授 (10114505)
斎田 俊明 信州大学, 医学部, 教授 (10010381)
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Keywords | 悪性黒色腫 / 色素細胞 / SAGE法 / mRNAプロファイル / メラノソーム蛋白 / 癌精巣抗原 |
Research Abstract |
本研究では色素細胞と悪性黒色腫の生物学的解析と悪性黒色腫の診断や治療に応用できる新規分子を同定するために、Serial Analysis of Gene Expression(SAGE)法を用いて、mRNAプロファイルを解析する。本年度は高色素性悪性黒色腫細胞株SKme123のmRNAプロファイルをSAGE法で解析した。SKme123のmRNAに関して、SAGE法により25,997tagのシークエンスを行い、10,382種の固有tagからなるmRNAプロファイルを得た。これと我々が別に解析した正常精巣のSAGEによるmRNAプロファイル、および遺伝子データベース上の色素細胞、正常大腸、正常脳組織、大腸癌、脳腫瘍のESTデータベースとSAGEデータベースからのmRNAプロファイルと比較して、悪性黒色腫と色素細胞における遺伝子発現の特徴を解析した。悪性黒色腫細胞株SKme123では色素細胞と比較して細胞増殖に関連する遺伝子(リボソームタンパク、翻訳開始因子など)に著しく高い発現がみられた。また、SKme123には色素細胞と同様に、既知のメラノソーム蛋白(TRP1,TRP2,チロシナーゼ,MART1,gp100)が発現しており、0.02-0.36%の発現頻度であった。これらの色素細胞特異的遺伝子のtagは、チロシナーゼで他の組織でわずかに認められた以外は、色素細胞・悪性黒色腫に特異的に検出された。また、SKme123には、癌精巣抗原(MAGE)やPRAME,SART-1などの腫瘍抗原のtagが検出されたが、色素細胞には検出されなかった。したがって、SAGE法により解析したmRNAプロファイルの各種組織間比較により、色素細胞特異的蛋白や腫瘍抗原などの分子が同定可能なことが示された。今度、悪性黒色腫や色素細胞の研究や臨床に有用な新規分子の検索を行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kawakami,Y. et al.: "Recognition of shared melanoma antigens in association with major HLA-A alleles by tumor infiltrating T lymphocytes from 123 patients with melanoma."J.Immunother.. 27. 17-27 (2000)
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[Publications] Kawakami Y. et al.: "T cell responses to melanoma and melanocytes."Pigment Cell Research. 13. 163-169 (2000)
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[Publications] Kawakami,Y. et al.: "Isolation of a new melanoma antigen, MART-2, containing a mutated epitope recognized by autologous tumor infiltrating T lymphocytes."J Immunol.. 166. 2871-2877 (2001)
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[Publications] Kageshita T,Kawakami Y. et al.: "Clinical significance of MART-1 and HLA-A2 expression and CD8+ T cell infiltration in melanocytic lesions in HLA-A2 phenotype patients."J Dermatol Science. 25. 36-42 (2001)