2002 Fiscal Year Annual Research Report
ポジトロン断層による腫瘍血管治療の効果予測法の研究
Project/Area Number |
12470183
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
窪田 和雄 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (40161674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 勝義 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (00143032)
井戸 達雄 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (80134063)
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Keywords | 腫瘍血管治療 / 腫瘍血流遮断剤 / AC7700 / 治療評価 / 18Fフルオロデオキシグルコース / ポジトロン断層 / 18Fフルオロメチルコリン |
Research Abstract |
難治性癌・薬剤耐性癌に対する新たな治療戦略として、腫瘍血管をターゲットにした新しいがん治療法が注目されている。チュブリン合成阻害剤AC7700(AVE8062)は腫瘍血管に強力に作用し、腫瘍血流を遮断し、腫瘍を壊死に陥らせる薬剤である。AC7700の治療評価を、組織の糖代謝の変化:18Fフルオロデオキシグルコース(FDG)の集積を指標として調べた。その結果、腫瘍体積の変化と比較して非常に鋭敏にFDG集積が変化し、治療の先行指標となることがわかった。また、オートラジオグラフィーによる研究から、腫瘍の糖代謝と血流が組織レベルでは一致せず、血管治療の24時間後に拡散などにより血流の一部は再開してもFDG集積は回復せず、しかも組織所見の変化は血流所見よりもFDG集積に近いことから、FDG集積として評価した腫瘍の糖代謝が、腫瘍の生存を反映した信頼性の高い治療評価の指標であることがわかった。 一方AC7700をフッ素18で標識する研究であるが、AC7700の活性型であるAC7739をターゲットとして種々の前駆体を設計し標識する作戦で試行錯誤が行われた。しかし特殊な構造式であることから、予想外の反応結果が出るなどの困難に直面し、成功していない。次に腫瘍などの細胞膜の脂質代謝の基質となるコリンのフッ素18標識体、18Fフルオロメチルコリン(FCH)の腫瘍内分布の特性を調べた。FCHの腫瘍内分布は腫瘍細胞に特異性が高く、メチオニンと極めてよく似ていたがFDGとは異なっていた。炎症モデルへにおいてFDGは炎症細胞層、特にマクロファージなどに一致して非常に高い集積を示したのに対し、FCHは肉芽組織に淡い集積が見られたのみであった。FCHはマクロファージなど炎症細胞への集積が低く、腫瘍の生存を評価するのにはFDGよりも優れている可能性があり、今後腫瘍血管治療評価にも応用する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Hori, S Saito, K Kubota: "A novel combretastatin A-4 derivative, AC7700 strongly stanches toumour blood folw"British Journal of Cancer. 86. 1604-1614 (2002)
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[Publications] S Furumoto, K Takashima, K Kubota: "Tumor detection using 18F-labeled matrix metallo-proteinase-2 inhibitor"Nuclear Mdicine and Biology. 30. 119-125 (2003)
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[Publications] T Yoshioka, K Yamaguchi, K Kubota: "Evaluation of 18F-FDG PET in patients with advanced gastric cancer"The Journal of Nuclear Medicine. 44(in press). (2003)
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[Publications] 窪田和雄: "FDG-PETによる癌の診断 肺癌"臨床放射線. 47巻. 1091-1101 (2002)
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[Publications] 窪田和雄: "PETによる癌の診断"総合臨床. 51巻. 2570-2574 (2002)
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[Publications] 窪田和雄: "肺癌の診断 画像診断PET"日本臨床. 60巻増刊5. 180-183 (2002)