2001 Fiscal Year Annual Research Report
磁気共鳴画像による嚢状脳動脈瘤モデルの血行動態解析と破裂部位推定の研究
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12470186
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
礒田 治夫 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (40223060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲川 正一 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (60303567)
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Keywords | 脳動脈瘤 / 血行動態 / 磁気共鳴画像 / tagged MRI / 粒子画像流速測定法(PIV) |
Research Abstract |
目的:嚢状脳動脈瘤破裂には瘤内の血流動態が関与していると考えられる。嚢状脳動脈瘤モデルに拍動流を流し、磁気共鳴画像のtagged MRIで瘤内の血流動態が画像化できるかどうか、また、ストレスの加わる脳動脈瘤壁を推定できるかどうかを検討した。 方法:ファントームシステムは拍動流ポンプ、ヒト死体血管を鋳型にして作成された高さ15mm、体部径10mm、頸部径5mmの前交通動脈瘤モデルである。これにグリセリンと蒸留水の混合液を内頸動脈収縮期最高血流が50ml/secとなるようにヒト脳血流波型で流した。磁気共鳴撮影装置は1.5 T Signa Horizon Echospeedで、頭部用コイルを用い、ECG同期SPAMM併用fast SPGRシークエンスによるtagged MRIを施行した。脳動脈瘤モデル内の3mm間隔の格子状tag lineの動きを観察した。tag lineの交点などを粒子に見立て、particle image velocimetry (PIV)ソフトウエアによる血流解析を施行した。 結果:嚢状脳動脈瘤モデルに置かれたtag lineの回転が観察され、瘤内の血流動態が推定できた。PIVソフトウエアにて瘤内の速度ベクトル、渦度、剪断ひずみが算出され、これらが定量的に表示された。拡張期と比較して、収縮期では大きな速度ベクトルが観察された。また、収縮期では脳動脈瘤の流体が流入する部位近傍とその反対側において渦度と剪断ひずみの大きい部位が観察された。 結論:磁気共鳴画像のtagged MRIでヒト嚢状脳動脈瘤の血流動態が把握できることが示された。さらに、tagged MRIのデータがPIVソフトウエアで処理でき、瘤内の速度ベクトル、渦度、剪断ひずみなどの血流動態が定量的に扱えることが示された。これらは近傍の脳動脈瘤壁のストレスを推定するのに役立つと推定された。
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