2000 Fiscal Year Annual Research Report
次世代PET装置の概念設計およびPET画像の定量性向上化
Project/Area Number |
12470191
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
村山 秀雄 放射線医学総合研究所, 高度診断機能研究ステーション, 研究員 (50166310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽石 秀昭 千葉大学, 工学部, 助教授 (20228521)
河合 秀幸 千葉大学, 理学部, 助教授 (60214590)
棚田 修二 放射線医学総合研究所, 高度診断機能研究ステーション, 研究員 (40116950)
小尾 高史 東京工業大学, 工学部, 助手 (40280995)
長谷川 智之 北里大学, 医療衛生学部, 助手 (10276181)
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Keywords | PET / 核医学 / 画像診断装置 / シンチレーション検出器 / 同時計数 / 放射線検出器 / 画像再構成 / 医用画像 |
Research Abstract |
高感度、高分解能の特性をもつ次世代PET装置用3次元放射線位置検出器を開発するために、3.8mmx3.8mmx10mmの大きさのシンチレータ素子48個により3次元行列結晶ブロックを作り、このブロックに26mm角の位置弁別型光電子増倍管を光学結合した検出器ユニットを試作した。662keVガンマ線を一様に照射しても、4行4列3段の素子配列に対して位置弁別可能なことと、それぞれの素子ごとにエネルギー弁別の可能なことを実験により示すことができた。検出器ユニットにガンマ線ビームを1mm間隔で照射して結晶の応答関数を測定し、位置の誤りが5%以下であることが実証された。 PET装置の検出器は被検体を中心に円環状配列され、消滅放射線を一対の検出器で同時計数する際の応答は対検出器の組み合わせごとに変化するために、再構成画像の解像度を劣化させる。この問題を克服するには、同時計数の応答関数を組み込める代数的画像再構成法が有効である。代数的手法の欠点は、観測データに等しい次元の逆行列計算のため演算時間がかかることであったが、逆行列計算の一部を前処理することで、ほぼフィルター逆投影法と同等の演算時間に短縮できる画像再構成手法を新たに開発した。この手法は近似的な画像再構成法ではあるが、解像度の劣化は無視できる程度であることが実験により実証され実用化が期待できる。 セプタを使用した2次元モードPETは画像の定量性が高い。一方、セプタを除去した3次元モードPETは感度が向上する利点はあるが、定量性に問題がある。両者のモードの長所を活かすために、円環型セプタの代わりに扇型セプタを取り付けて、これを回転させる方法を新たに考案した。投影データは、2次元モードと3次元モードの両方が同時に取得できるために、これらのデータの演算により散乱線成分の除去ができる。計算機シミュレーションにより新手法が適用できることを確認した。
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Research Products
(16 results)
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[Publications] Murayama,H: "Design of a depth of interaction detector with a PS-PMT for PET."IEEE Trans.Nucl.Sci.. 47. 1045-1050 (2000)
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[Publications] Hasegawa,T: "A study of external end-shields for PET."IEEE Trans.Nucl.Sci.. 47. 1099-1103 (2000)
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[Publications] Obi,T: "2.5D simultaneous multislice reconstruction by series expansion methods from Fourier-rebinned PET Data."IEEE trans.on Medical Imaging. 19. 474-484 (2000)
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[Publications] 長谷川智之: "陽電子ホールボディーカウンタ"医学物理. 20(sup.2). 87-88 (2000)
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[Publications] 村山秀雄: "次世代PET装置の概念設計における検出器形状と立体計測の考察"医学物理. 20(sup.4). 296-299 (2000)
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[Publications] 羽石秀昭: "計算機シミュレーションを用いた位置検出器PETディテクタの特性解析"医学物理. 20(sup.4). 300-303 (2000)
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[Publications] 長谷川智之: "3次元モードPET測定における視野外放射能の遮蔽"医学物理. 20(sup.4). 308-311 (2000)
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[Publications] 村山秀雄: "次世代PET装置の検討(1)概念設計"核医学. 37(5). 583 (2000)
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[Publications] 羽石秀昭: "次世代PET装置の検討(2)DOI検出器"核医学. 37(5). 583 (2000)
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[Publications] 小尾高史: "次世代PET装置の検討(3)リストモード収集"核医学. 37(5). 583 (2000)
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[Publications] 長谷川智之: "次世代PET装置の検討(4)装置物理特性"核医学. 37(5). 583 (2000)
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[Publications] 村山秀雄: "PETの放射線検出系"Med.Imag.Tech. 18(1). 15-23 (2000)
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[Publications] Yamaya,T: "Algebraic PET reconstruction with pre-computed reconstruction operators using subsets of sensitivity functions."IEEE Trans.Nucl.Sci.. 47. 1670-1675 (2000)
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[Publications] Tanaka,E: "A 2D/3D hybrid PET scanner with rotating partial slice-septa and its quantitative procedures."Phys.Med.Biol. 45. 2821-2841 (2000)
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[Publications] 村山秀雄: "次世代PETを目指した3次元放射線位置検出器"研究会「放射線検出器とその応用」(第14回)要旨論文集. 19-20 (2000)
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[Publications] 村山秀雄: "立体計測型ポジトロン断層撮像法における画像再構成"光学. 29(6). 366-371 (2000)