2001 Fiscal Year Annual Research Report
概日リズム障害の遺伝子解析及び複数の遺伝子が関与する疾患の解析モデルの構築
Project/Area Number |
12470198
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
海老澤 尚 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00201369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩瀬 利郎 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (80306307)
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Keywords | 概日リズム障害 / 時計遺伝子 / 遺伝子多型 / 季節性感情障害 / リン酸化 / 危険因子 |
Research Abstract |
睡眠相後退症候群(DSPS)、非24時間睡眠覚醒症候群(N-24)などの睡眠覚醒リズム障害を対象に生体時計関連遺伝子の多型解析を行っている。Per3遺伝子から[G647,R1158]ハプロタイプを見出し、同ハプロタイプが睡眠相後退症候群の危険因子になっていることを見出し、報告した。PER3蛋白はCasein Kinase I epsilon(CK I E)によるリン酸化を受け、核内移行や蛋白の分解が変化することが知られており、それらの機能変化が疾患発症の脆弱性に結びつくと思われた。概日リズム障害の関与が想定されている季節性感情障害(SAD)を対象に同ハプロタイプの頻度を調べたところ、DSPSと同様高頻度で見られ、SAD発症にも関与している可能性があることを見出した。CKIEの多型がPer3遺伝子の同ハプロタイプとの組み合わせでDSPS発症に至る可能性を考え、多型解析を行ったが、[G647,R1158]ハプロタイプと相乗作用が疑われる多型は検出できなかった。 Clock遺伝子の多型解析を終了し、2個のミスセンス多型を見いだしたが、頻度が少なく、疾患との相関は認められなかった。既に朝型・夜型の行動パターンとの相関が指摘されていた3'非翻訳領域のT3111C多型がDSPS群で少ない傾向にあることを見出し、報告した。同多型はヒトの概日リズムに影響する多型と思われた 概日リズム障害は上記の如く生体時計関連遺伝子の多型により発症リスクが影響を受けるが、上記の多型を持っ患者は一部であり、正常被験者にも多型は認められるところから、複数の遺伝子多型が関与するheterogenousな疾患と考えられる。 現在も他の時計遺伝子について解析中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hakuei Yamashita, Tetsushi Kazawa, Yukiko Minatogawa, Takashi Ebisawa, et al.: "Time course of hepatie cytoehrome P450 subfamily induction by chronic carbamazepine administration in rats"Int J Neuropsychopharmacol.. (In press).
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[Publications] Makoto Uchiyama, Kayo Shibui, Tatsuro Hayakawa, Yuichi Kamei, Takashi Ebisawa, et al.: "Larger phase angle between sleep propensity and melatonin rhythms in sighted humans with non-24-hour sleep-wake syndrome"Sleep. 25. 83-88 (2002)
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[Publications] Toshio Iwase, Naofumi Kajimura, Makoto, Uchiyama, Takashi Ebisawa, et al.: "Mutation screening of the human Clock gene in circadian rhythm sleep disorders"Psychiatry Research. 109. 121-128 (2002)
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[Publications] Takashi Ebisawa, et al.: "Association of structural polymorphisms in the human period3 gene with delayed sleep phase syndrome"EMBO Reports. 2. 342-346 (2001)
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[Publications] 海老沢尚: "生体リズム障害と睡眠異常の分子医学"現代医療. 33. 126-131 (2001)
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[Publications] 海老澤尚: "睡眠覚醒リズム障害の遺伝子解析"神経研究の進歩. 45. 840-846 (2001)
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[Publications] 池岡正明, 海老澤尚: "概日リズム障害と時計遺伝子"分子精神医学. 1. 31-38 (2001)