2001 Fiscal Year Annual Research Report
β3インテグリン活性化の分子機構の解析と新規シグナル伝達分子の同定
Project/Area Number |
12470201
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
冨山 佳昭 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80252667)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 浩和 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
織谷 健司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70324762)
本田 繁則 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00303959)
|
Keywords | β3インテグリン / 巨核球 / 活性化シグナル / NCX |
Research Abstract |
β3インテグリン(αIIbβ3およびαvβ3)は、止血栓および病的血栓形成や動脈硬化病変発症などにおいてその中核をなすため、その機能発現機構の解明およびその制御法の開発は臨床上極めて重要であり急務の課題であるといえる。本年度の研究ではいまだ不明であるβ3インテグリン活性化機構解明にむけて、血小板以外の遺伝子導入可能な細胞を用いた実験系の構築とそのシグナル伝達分子の解析を行った。 はじめに、ヒト臍帯静脈血より分離した単核球をトロンボポエチンとIL-11存在下で14日間培養し巨核球系細胞に分化させた後、巨核球の分化マーカーであるCD42b(GPIb)陽性細胞において、TRAPやPKCにて数分間刺激するとαIIbβ3の活性化が誘導された。このことより初代培養ヒト巨核球においてアゴニスト刺激によりαIIbβ3が活性化することが示された。、次にSindbis virusを用いてこれらの細胞への遺伝子導入を検討したところ、CD42b陽性細胞の約5%にGFPが導入可能であった。また従来の報告とは異なり、ある種の巨核球系細胞株においてもPMA刺激においてαIIbβ3が活性化することを見出した。この細胞株を用いてαIIbβ3活性化分子を同定すべくCD42b陽性細胞分画と陰性細胞分画を用いてdifferential display法にて現在シグナル分子のスクリーニング中であり、既にcyclin D3などの分子を同定しており、今後これらの分子の機能解析を進める予定である。 一方、NCXに関しては申請者らがαIIbβ3活性化機構に重要であることを初めて示唆したが、血小板においては110kDのNCXとは異なり蛋白レベルおよびmRNAレベルにおいて新たな70kDのアイソフームが存在することを見出し、今後その機能解析を進める予定である。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Oritani K, Kincade PW, Tomiyama Y: "Limitin : an interferon-like cytokine without myeloerythroid suppressive properties"Journal of Molecular Medicine. 79. 168-174 (2001)
-
[Publications] Kashiwagi H, Tomiyama Y, et al.: "Analyses of genetic abnormalities in type ICD36 deficiency in Japan : identification and cell biological characterization of two novel mutations that cause CD36 deficiency in man"Human Genetics. 108. 459-466 (2001)
-
[Publications] Kosugi S, Tomiyama Y, et al.: "Platelet-associated anti-GPIIb-IIIa autoantibodies in chronic immune thrombo-cytopenic purpura recognizing epitopes close to the ligand-binding site of glycoprotein(GP)IIb"Blood. 98. 1819-1827 (2001)
-
[Publications] Takahashi I, Kosaka H, Tomiyama Y, et al.: "A new IFN-like cytokine, limitin modulates the immune respons without influencing thymocyte development"Journal of Immunology. 167. 3156-3163 (2001)
-
[Publications] Tadokoro S, Tomiyama Y, et al.: "Missense mutations in the β3 subunit have a different impact on the expression and function between αIIbβ3 and αvβ3"99. 931-938 (2002)