2002 Fiscal Year Annual Research Report
塩分・血圧によるレニン遺伝子転写調節機構のin vivo解析
Project/Area Number |
12470212
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松阪 泰二 東海大学, 総合医学研究所, 講師 (50317749)
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Keywords | Thy1腎炎 / アンチセンス / キメラマウス / 血圧 / レニン / アンジオテンシン / AT1受容体 |
Research Abstract |
組織傷害時におけるアンジオテンシン(A)IIの局所組織における直接作用を明らかにするため、ラットのThy1抗体腎炎モデルにおいて、片側腎臓でのみAII抗体受容体(AT1)をアンチセンスDNAを導入することにより抑制させた。同側の腎臓では、メサンジウム細胞の増殖が無治療に比べて約30%減少した。しかし、対側の腎臓や、コントロールDNAを導入した腎臓で、メサンジウム細胞増殖の減少は認められなかった。メサンジウム基質の増大も、AT1アンチセンスDNAの導入された腎臓に特異的に抑制された。これらの結果は、組織傷害時においては、メサンジウム細胞の増殖と細胞外基質の増大は、AIIの局所直接作用によっている事を示唆し、AII持続注入時とは異なったメカニズムの存在が示唆された。 レニンの遺伝子の転写調節領域をin vivoで解析するシステムの作成実験においては、マウスES細胞に、Renl^d (5.5kb)-EGFPとRenl^d -lacZを導入し、その後に後者を抜き取り、同部位に変Renl^d -lacZを入れ込む作業を行っている。最低でも4回のトランスフェクションが必要なため、ES細胞の培養期間が長期にわたり、その間ES細胞の性格が変化してしまう技術的な問題点があり、難航している。特にはじめのRenl^d -EGFPを導入する段階で、hygromycinによる選択がうまくされずに、サブクローニングをくり返さざるを得ないのが大きな問題となっている。今後は、選択遺伝子の変更も含めて、DNA導入条件を至適化して、研究を継続してゆきたい。
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[Publications] Nishida M, Fujinaka H, Matsusaka T, Price J, Kon V, Fogo AB, Davidson JM, Linton MF, Fazio S, Homma T, Yoshida H, Ichikawa I.: "Absence of angiotensin II type 1 receptor in bone marrow-derived cells is detrimental in the evolution of renal fibrosis"The Journal of Clinical Investigation. 110(12). 1859-1868 (2002)